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ヒトラー権力の本質
 
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ヒトラー権力の本質 [単行本]

イアン カーショー , Ian Kershaw , 石田 勇治
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,940 通常配送無料 詳細
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

ヒトラーと彼を取り巻く政治家や官僚、教会、財界、そして民衆の動向を論じながら、ヒトラーがいかにして権力を獲得し、いかにして「カリスマ」となりえたのかを描きだしていく。 
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

政界、財界、教会などの伝統的エリート層はなぜヒトラーを受け入れ、そして民衆はそれをどのように受けとめたのか。第三帝国における権力構造を読み解く刺激的な一冊。

登録情報

  • 単行本: 272ページ
  • 出版社: 白水社; 新装版 (2009/06)
  • ISBN-10: 4560080127
  • ISBN-13: 978-4560080122
  • 発売日: 2009/06
  • 商品の寸法: 19 x 13.4 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
ナチスドイツの興隆から滅亡に至るまでを、ヒトラーが握っていた『権力』の量と質の変化に着眼点を置いて分析した一冊。
大衆の不満を取り込んで政治の世界に足を踏み入れたヒトラーは、本人の資質によらずナチスに非好意的な保守的エリートの「操り人形」としてドイツ首相の地位に着く。その後、ヒトラーの持つ『権力』はナチスドイツ崩壊の日まで膨張し続けた。それは雪山を転げ落ちる雪玉のような有様だった。

しかし、この『権力膨張』は単にヒトラー個人の資質によるものではなかった。ヒトラーの『権力』が大きくなればなるほど、そのおこぼれに預かれる人々との数と、彼らが受けた恩恵は巨大なものとなった。ヒトラーの権力が雪だるま式に膨張したのは、ヒトラーに一蓮托生した多くのドイツ人の存在があったのである。
しかし、彼らが得た利権とは、ナチスが破壊し解体した旧体制の残骸に過ぎなかった。急激に膨張するヒトラーの『権力』は、その権力を維持するためにヒトラー唯一人をあらゆる政治・経済・軍事、あらゆる行為の最高責任者にする必要があった。そのために、それまで存在した官僚機構や軍の命令系統、産業界のつながりや個々人のつながりまで、全てはヒトラーの『権力』を維持するために破壊された。

ヒトラーという雪だるまは止まる事を許されなかった。雪だるまが回転と膨張を止めるとき、それはヒトラーという雪だるまそのものがより大きな障害にぶつかって砕け散るか、巨大に成りすぎて自壊するかの二者択一だった。そして現実のナチスドイツはその両方の結末を迎える事になる。
しかし、その責任をヒトラー一人に帰する事はできない。ヒトラーに『権力』を与え、その恩恵に浴し続ける決断を下したのは他ならない大多数のドイツ人自身だったためだ。
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形式:単行本
ヒトラー研究では構造派(ヒトラーを生んだ社会政治構造)
と意図派(ヒトラー個人の意図、理念)に分かれる事
が多いが、カーショーは構造派から一歩先んじ、
ヒトラーを支えた非ナチの保守的及び一般大衆という、
なにはともあれナチを支持した立場に焦点を当て、
なぜ、成功しそうも無い人間があのような権力を
持ち得たのかという問いへの説明を行う。
 
まず、権力を掴むまでには、大衆に見られた
第一次大戦の屈辱や相次ぐ危機による民主主義への失望、
これを受けた保守派の権威主義への回帰志向と、
産業界の反共思想があった。さらに国家より小さな単位
への帰属が国家的分裂を加速化した現状から
国民的再生を果たしうる指導者を待望する風潮が存在した。

1930年代、議会も共産党と保守系で別れ機能不全を呈し、
大統領府への権限集約の傾向にあり、
既に民主主義は麻痺しており、権威主義を期待した
保守派がヒトラーの人気にあやかろうとした結果、
ナチズムが生まれる。
しかし、それは考えられるうちで最悪の選択であった。
 
結果的に、権力を握ったヒトラーは合法的支配を廃し、
自らの個人化した権力を振るうために、
カリスマ支配を立ち上げる。
それには、絶え間ない「前進」が必要で、
「非日常」を大衆に常に見せつける必要があったが、
筆者によるとその本質において自己破壊システム
が内蔵されていたという。
 
国家の瓦解は合法支配を、親衛隊など重層的
利益集団である「特殊官庁」で置き換えられていくことで進み、
そこでの権力闘争は、すべての利害関係者を糸で結んだ
総統が欲するように解決された。

侵略で獲得した新たな地では、総統の意を汲みながらも
大管区指導者が独立した権限を行使した。
しかし、このシステムはいわば、
上手く行っている時に、上手くようなもので、
旗色が悪くなるとヒトラーの力量に余る運命であった。

ヒトラーは決して、それ自体でヒトラーたり得たのではなく、
その支配を受容する社会的な基盤が存在していたのだ。

私自身は、この本が現状に照らし合わせ読まれる事で、
非常に示唆に富んでいると思われるのだがどうだろうか。
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