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ナチズムと日本の帝国主義が手を携えて破滅に向かって進むさまを日独ハーフの血が流れる在独の日本武官コウダ・ミツヒコの目から緊張感あふれるテンポで描いていきますが、戦時下の精神病院にスポットをあてる視点は医師でもある著者らしいと思いました。
前半部分は、ナチ政権下急速に戦時色を強めるベルリンに、エリート軍人として赴任した主人公と、その兄で精神科医のマサヒコが、精神病院におけるナチの「ある政策」を、弟に明かし日本が協力関係を結ぼうとするナチスはどのような集団なのかを問いかけるダイアローグがひとつのクライマックスになっています。
兄の強烈な人間愛、正義感に突き動かされ、弟ミツヒコは日本軍人として自分のとるべき道に想いを致すようになりこの辺りからまず巧みなストーリー展開に引き込まれますが、中盤以降はミツヒコにおこった「ある出来事」をきっかけに急激に物語が転回します。
史実にも詳しい言及がありますが、フィクションとのミクスチュアが絶妙でだらだらした記述はなく、最後まで面白く読めました。
テンポの良い歴史フィクションものと言えば、小説とコミックスで分野は異なりますが、この小説と同じようなプロットの作品で手塚治虫さんの「アドルフに告ぐ」を思い出しました。(こちらもお薦め「星5こ」です)
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