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16 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
よく練られた快作、手塚治虫:アドルフに告ぐを思い出しました。,
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レビュー対象商品: ヒトラーの防具〈上〉 (新潮文庫) (文庫)
著者の作品は「閉鎖病棟」「三たびの海峡」「逃亡」などみな読み応えがあって好きですが、この「ヒトラーの防具」がいちばん好きです。ナチズムと日本の帝国主義が手を携えて破滅に向かって進むさまを日独ハーフの血が流れる在独の日本武官コウダ・ミツヒコの目から緊張感あふれるテンポで描いていきますが、戦時下の精神病院にスポットをあてる視点は医師でもある著者らしいと思いました。 前半部分は、ナチ政権下急速に戦時色を強めるベルリンに、エリート軍人として赴任した主人公と、その兄で精神科医のマサヒコが、精神病院におけるナチの「ある政策」を、弟に明かし日本が協力関係を結ぼうとするナチスはどのような集団なのかを問いかけるダイアローグがひとつのクライマックスになっています。 兄の強烈な人間愛、正義感に突き動かされ、弟ミツヒコは日本軍人として自分のとるべき道に想いを致すようになりこの辺りからまず巧みなストーリー展開に引き込まれますが、中盤以降はミツヒコにおこった「ある出来事」をきっかけに急激に物語が転回します。 史実にも詳しい言及がありますが、フィクションとのミクスチュアが絶妙でだらだらした記述はなく、最後まで面白く読めました。 テンポの良い歴史フィクションものと言えば、小説とコミックスで分野は異なりますが、この小説と同じようなプロットの作品で手塚治虫さんの「アドルフに告ぐ」を思い出しました。(こちらもお薦め「星5こ」です)
25 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
時代と組織と人間の狭間で,
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レビュー対象商品: ヒトラーの防具〈上〉 (新潮文庫) (文庫)
帚木氏の作品は、自分が属する組織や時代が狂っていく中で、冷静な判断力を保とうとしたり、あるいはそうであったがために苦しい立場に追い込まれていく人物を描き出したものが多い。そして、本作や『三たびの海峡』、『逃亡』といった第二次大戦を背景とした作品では、そうした主人公の苦悩や辛苦を通して、私達は戦争の別の一面を知ることになる。外務省を舞台にした本作は、日本が枢軸国の一員として官僚組織・政治機構ともども自ら進んで戦争に呑み込まれていく過程と、ヒトラー政権下のドイツの狂気が、赴任地で一省員としてだけでなく、個人としても関わろうとした青年の目を通して展開される。物語の中で事態が緊迫して行くに連れて本を閉じることが出来なくなり、上下巻を一気に読まされた。多くの!方に勧めたい本書ではあるが、一点だけ注意して欲しい-涙腺の緩い方は、通勤電車で下巻を読まないように。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
真理は弱者の側に,
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レビュー対象商品: ヒトラーの防具〈上〉 (新潮文庫) (文庫)
東郷大使と香田の兄の口から異口同音に語られた言葉――真理は弱者の側に宿る――が強く印象に残った。作品全体としては、添え書きに終わった「現在」や終盤での突然のサスペンス的展開に心がついていかなかったり、香田のあり方に歯がゆさを感じたり、個人的には大満足とはいかなかったのだが、ストーリー云々以前に、根底に流れる著者のこのような人間理解に深い共感を覚える。
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