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ヒトラーの秘密図書館
 
 

ヒトラーの秘密図書館 [単行本]

ティモシー・ライバック , 赤根 洋子
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

米議会図書館ほか、世界各地に眠っていた、
1300冊の蔵書を全調査!!

ヒトラー自身が遺した
余白の書き込み、アンダーラインが、
独裁者と第三帝国の精神形成を物語る。

世界の運命を決めたその一冊、その一節

◎少年時代、心を躍らせたネイティヴ・アメリカンの冒険小説
◎封印された『我が闘争』第3巻
◎ユダヤ人絶滅計画の原点は、アメリカ人優生学者の本
◎ヴァチカンのナチス分断工作の書
◎オカルト本に求めた「科学的確かな裏付け」
◎参謀と渡り合うために読んだ7000冊の軍事書
◎ベルリン陥落前夜に読んだ『フリードリヒ大王伝』

BOOK ONE 芸術家の夢の名残・マックス・オスボルン『ベルリン』
第一次大戦の激戦下、勤勉な働きをみせていた伝令兵。彼の楽しみは、休暇に首都ベルリンを観光することだった。

BOOK TWO 反ユダヤ思想との邂逅・ディートリッヒ・エッカート『戯曲ペール・ギュント』
敗戦の混乱のなかで、元伍長は自分を導く師に出会った。そして師も、彼に眠っていた扇動の才能に魅入られていった。

BOOK THREE 封印された『我が闘争』第3巻・アドルフ・ヒトラー『我が闘争』第3巻
「あの本が出版されなくてよかった」後に彼は側近に語る。出版社の金庫にしまいこまれたまま、それは忘れ去られた。

BOOK FOUR ユダヤ人絶滅計画の原点・マディソン・グラント『偉大な人種の消滅』
アメリカを移民制限に導いたその書は、彼の『聖書』となり、ナチスが政権をとると、ユダヤ人の根絶計画の礎となった。

BOOK FIVE 総統の座右の思想書・ポール・ド・ラガルド『ドイツ論』
「本当は、ニーチェはあまり好きではないのです」では誰が、彼の思想の源となり、ナチスドイツの原則となったのか。

BOOK SIX ヴァチカンのナチス分断工作の書・アロイス・フーダル『国家社会主義の基礎』
キリスト教への弾圧を続けるナチス。彼らと反共で手を結べると信じた司教は一書をしたため彼に献じたが。

BOOK SEVEN オカルト本にのめりこむ・マクシミリアン・リーデル『世界の法則』
天才のなすことに理由は要らない――。オカルト本の主張に背を押されるようにして、彼はポーランド攻撃を命じた。

BOOK EIGHT 参謀は、将軍よりも軍事年鑑・フーゴ・ロクス『シュリーフェン』
彼の蔵書の半数7000冊は、軍事に関わるものだった。詰め込んだ知識で彼は対立する将軍たちと渡り合おうとする。

BOOK NINE 老冒険家との親密な交友・スヴェン・ヘディン『大陸の戦争におけるアメリカ』
彼にとって生涯の英雄だった探検家ヘディン。目下の戦争のさなかドイツを擁護する書を世に問い、彼を感激させる。

BOOK TEN 奇跡は起きなかった・トマス・カーライル著『フリードリヒ大王』
ベルリン陥落前夜、彼はかつてのプロイセン王に身を重ねる。敵国の女王が死に、からくも救われた奇跡の大王に。

内容(「BOOK」データベースより)

余白の書き込み、アンダーラインが、独裁者と第三帝国の精神形成を物語る。世界の運命を決めたその一冊、その一節。

登録情報

  • 単行本: 360ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2010/1/7)
  • ISBN-10: 4163721207
  • ISBN-13: 978-4163721200
  • 発売日: 2010/1/7
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.4 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 146,880位 (本のベストセラーを見る)
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32 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By picander トップ500レビュアー
形式:単行本
エキセントリックな煽動家というイメージとは裏腹に、ヒトラーの知識量は(特に軍事面では)側近を遥かに凌いだと多くの証言がある。
高等教育を受けていないヒトラーに膨大な知識を供給したのは毎夜の読書であった。
“自分が元々抱いている観念という「モザイク」を完成させるための「石」を集める”のが、ヒトラーにとっての読書であった。
ラガルドの『ドイツ論』ではユダヤ人をパレスチナへ移送するよう勧める箇所に傍線を引き、
偉大な北欧人種がアメリカでの不幸な移民政策と混血によって消滅しつつあると煽動する『偉大な人種の消滅』の著者グラントに、「私の聖書」だと熱い手紙を送った。
1万6千冊ほどの蔵書が示す通り、反ユダヤ主義や優生思想を裏づける理論武装は徹底しており、
当時とすれば科学を装った多くの理論の裏づけのもと、ナチス政権が運営されていたことを本書は物語っている。
新事実はとくにないものの、ヒトラーとナチスの歴史を重要な書物を切り口として平易に語っている。

万を超える蔵書を持ち、蔵書に細かい傍線やコメントを執念深く書き込みながら読書に耽溺したという点で、スターリンとヒトラーは似ている。
独裁者は極端に猜疑心が強い。周囲を信用せず裏切りを恐れて権力を集中させ、不穏な者は粛清していく。
側近たちは自己保身に走るしかなく、いきおい側近からの情報も信用できない。
唯一、書物の世界に耽溺する時だけが、真実と触れられる時間だと考えたのだろうか。スターリンについての同様の本を期待したい。

カトリックとナチスの融合を理論付けようとした『国家社会主義の基礎』の章にあるラテン語の格言が、本書にはふさわしい。
Habent sua fata libelli.(本にはその本自身の運命がある)
読書は自らの固定観念を裏づけるためだけになされる「石集め」ではなく、未知と出会う冒険であり、変化の触媒であってほしい。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Lucca9
形式:単行本
この本を読んでの感想は「このように他者に影響されやすい者に世界は引っ掻き回されたのか」
というものでした。
まあこの感想自体、著者の誘導尋問に上手く引っかかって出た答えのようなものではありますが。

本を熱心に読みはするけれど、その本の中で、自分にとって都合の良いところを切り取り、継ぎ接ぎし、
本を書いた人の云いたいことと云うより、自分の欲しい答えを「想像」してしまう、危険な読書の仕方・・・。

この本は、ヒトラーに興味がある人向け、というより、本を読むことが好きな人向けのものではないかと
私は感じました。
ヒトラーの人となりに関しては、著者のなかでそもそものイメージがあるような気がして、私は全面
的に肯定できる感じではなかったのですが、本の読み方、という観点では非常に勉強になる一冊でした。

あと、何かタイトルがオカルトっぽいのが、タイトルと中身の齟齬を生んでいるように感じます。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
「若いころ、私には十分な教育を受けるために必要な資金も機会もありませんでした。だから、毎晩本を1冊ないし、2冊読みました。ベッドに入るのがひどく遅かった晩もそうでした」

このように過去を振り返った男は一国の宰相に登りつめます。
学がない男が猛勉強し、国民の支持を受け首相になる。立派なサクセスストーリーですが、
困ったことにこの男の名はアドルフ・ヒトラーなのです。

勤勉な男は総理になった後も毎晩読書に励みます。
恋人のエヴァ・ブラウンがヒトラーの夜の読書を邪魔してものすごく怒られた事もあったそうです。
それ位ヒトラーはマジメに読書しまくります。女よりも読書です。勤勉の鏡です。
「与える人間には受け取ることも必要です。私は必要なものを本から受け取ります」(p181)ともヒトラーは言います。
彼が本から受け取ったものは何だったのか。そして彼がドイツ国民に、いや全世界の人々に与えたものは何だったのか?

戦争を風化させない事は大切です。戦争を二度と起こさないと覚悟を決めることも大切です。
しかし「勤勉の鏡のようにも見えるヒトラーが大惨事を引き起こしたのか?」もきっと考えないといけないのだと思います。

そしてその事を考えるためにはこの本は必需品となるでしょう。

最後に印象的な部分を引用。

この読書法によって、ヒトラーは、戦車の製造から舞台作品まで無数の問題に関して膨大な量の情報を記憶し、事実上即座に思いだすことができた。フリードリヒ・シラーとジョージ・バーナード・ショーの作品をヒトラーが比較するのを聞いたゲッべルスは、その晩帰宅して日記に、「この男は天才だ」と書きつけた。(p191)
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