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ヒトラーの側近たち (ちくま新書)
 
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ヒトラーの側近たち (ちくま新書) [新書]

大澤 武男
5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

ナチスの屋台骨である側近たち。ゲーリング、ヘス、ゲッベルス、ヒムラー……。独裁者の支配妄想を実現、ときに強化した彼らは、なぜ、どこで間違ったのか。

内容(「BOOK」データベースより)

ヒトラーに共鳴・心酔し、あるいは打算で、ヒトラーの支配妄想を成就させようと画策したナチスドイツ。直観力に優れ弁は立つが、猜疑心が強く気分屋のヒトラーに、なぜ、ナチスの屋台骨である有能な側近たちが追随したのか。彼らにより強化され、エスカレートしていったヒトラーの支配妄想とはいかなるものだったのか。ゲーリング、ヘス、ハイドリッヒ、アイヒマン、ヒムラー、ゲッベルス…独裁者を支えた側近は、政局や戦局のときどきに、どのように対処し振舞ったか。過激な若者集団が世界に巻き起こした悲劇の実相をえぐる。

登録情報

  • 新書: 235ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2011/11/7)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4480066241
  • ISBN-13: 978-4480066244
  • 発売日: 2011/11/7
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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By Rob Jameson トップ1000レビュアー
今年2011年は辛亥革命100年、満洲事変80年、ソ連崩壊20年、9・11事件10年と節目の多い年であった。一般には知られていないが20世紀の巨悪人の一人ヒトラーがナチ党党首に就いて90年でもあった。これを期して本書はヒトラーを支えた側近たちの実像に迫りその歴史責任を問う意図で上梓された(らしい)。

確かに初学者にとっては無名の側近たちを知るよい機会にはなる。旧友、若き従者、先輩、後援者(パトロン)、ミュンヘン一揆に際してヒトラーの命を救った同志、安楽死政策の実行者も身辺護衛官も最後の電話番も。

ところが、側近中の側近についての記述には多くの問題がある。ナンバーツーであったゲーリングがヒトラー同様一級鉄十字章を受けた勇士と書くならば(p104)、有名な第一次大戦の戦闘機パイロットエースで一般軍人の最高武勲章プール・ル・メリット勲章受賞者であることを加えなければ片手落ちであろう。カナリス海軍提督がポーランドで起きた虐殺に抗議したときは中将であったし元帥に昇進したことはない(p138)。ハルダーは単なる参謀将校ではなく陸軍総司令部参謀総長(p142)。ヘスが英国に向かった航空機はメッサー・シュミットではなくひとつの単語メッサーシュミットだし、3万3千機製造したのは主力戦闘機Me109一機種だけの数値、他の機種を合わせればそれ以上になる(p145)。アルデンヌ作戦参加兵力20万余、戦車6千台も根拠ある数値なのか(p171)。また軍事顧問と記されている国防軍最高司令部作戦部長のヨードルは大将(p171)とも元帥(p213)とも書かれているが正しくは上級大将。フェーゲラインSS中将はSS長官代理であるはずもなく総統・長官連絡将官にすぎない(p202)。さらにデーニッツは海軍元帥だったが大元帥ではない(p207)。

人名の表記は現地発音に忠実であれとの主張もあり簡単ではないが、本書は専門書ではなく初学者むけの啓蒙書であるのだから、ロムメル(p153)、シュペー(p159)、モデル(p189)と表記するのはいかがなものか。普通にロンメル、シュペーア(シュペール)、モーデルとして不都合があるだろうか。参考資料を検索するのが手間である。

一方、人物像を描くのに際して極めて文学的であるのが印象的である。「若いときから礼儀正しいヒトラー」(p23と48)、「飼い主を求める野良犬のようにさまよっていた」ゲッペルス(p56)、「彼女を求めにくるその瞬間を待つために存在している」エヴァ・ブラウン(p101)のように。わかりやすくていい感じの表現なのだが。

大甘でギリギリ三ツ星評価。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By INAVI トップ1000レビュアー
先達のレビューにおいて、本書における一般的でない人名記載や軍事知識の欠落が指摘されている。
これに重ねるならば、日本語にも不十分な人が著者であることを指摘したい。

162頁に「オイルラフィナリー」という言葉が出てくる。文脈から、一般には製油所といわれるもののことで、因みに英語発音をカタカナ表記するなら「リファイナリ」となる。揚げ足取りではなく、こうした拙い日本語表現、ちょうど自動翻訳機のような不自然さが、随所にみられるため、読んでいて興醒めする。
あまつさえ、日本語の主述がグチャグチャで閉じていない文章も少なくない。これは、無駄に多い、修飾語や形容詞のせいにも思える。
著者は、アカデミーに属さない人であり、かといって著述家を名乗るが、作家でもない。この氏素性が、作品のクオリティに表れる。学術的でもなく、文章として読ませるものでもない、妙に叙情的で独り善がりが鼻につく、まぁ駄文だ。

それでも☆3つとするのは、「90分で読める 関係者列伝による アドルフ・ヒトラー一代記」としては読めるからである。
ナチスのことを何も知らない人が、「ゲペルスって、こうだよね」と浅い語りをするのには足りる程度の紹介で、浅いがゆえに広くヒトラーの関係者を捉えている点は評価したい。
ヒトラーの側近に焦点を当てた著作は、海外また我が国にも多数あるが、エヴァ・ブラウンのような近親者的なものに絞ると怪物然とならず、ヒムラーやゲベルスでは月並みなカルト集団、シュペアーやリーフェンタールではちょいと異色と、なかなかに群像の中からナチスドイツやヒトラーを描き出すことは難しい。予備知識なしに読むと、著者の考えに引きずられるばかりともなりかねない。
その中で、本書から感じるのは、ヒトラーという吸引力の高い壷(カリスマの坩堝と名付けたい)に、様々な思いや立場の者達が触れる先から呑み込まれ溶かしこまれ、渾然一体となってナチスドイツとなって世界史を蹂躙したさまである。
同時期の日本と比べて、確信犯的である一方で、そうした流れに敢然と立ち向かった勢力もある、そして、何れにも与さずに粛々と己の仕事を全うした者もいる。そんなドイツが感じ取れたところは評価したい。

私見の蛇足だが、粛然と合理性・効率性を追求した点では、シュペアーとボウラーに明確な差はおけない気がする。後者が、人道的に許し難い行為であるのは当然だが、前者としてそこで製造した兵器・弾薬で合法的な人殺しを推進したのも事実だからだ。
著者は、ヒトラー達の行為はテロであり、国防軍は軍人精神とやらで峻別したがるが、あまりに稚拙な分類だろう。まぁ、こういう分類の人だと、東条英機と昭和天皇を簡単に分類できてラクチンなのだろうが。
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By ともぱぱ 殿堂入りレビュアー トップ50レビュアー VINE™ メンバー
タイトルは「ヒトラーの側近たち」だが、ゲーリング、ヒムラー、ゲッペルス等のヒトラーの意思を具現化したいわば典型的共犯者に限らず、エヴァ・ブラウンやワーグナー家の女主人といった女性、ヒトラー暗殺(ヴァルキューレ作戦)を企て、「ドイツ国民の良心」と讃えられるシュタウフェンベルク大佐まで、ヒトラー若き日からその死までのドイツの歴史をヒトラーの周囲にいた多彩な人々を通して描いたヒトラー・ナチス興亡の歴史をまとめた本で、私にはよい勉強になった。

ミュンヘン一揆とその後の拘置所生活を通じてドイツ民族の生存圏は東方に向って拡大されるべき、そしてユダヤ人は排除されるべきという「世界観」をヒトラーが確立し、その実現のためにとにかく自分に忠誠を尽くす側近を求めた結果、ナチ党は政治・軍事経験が浅い人材の集団として形成され、それがヴェルサイユ条約へ反発する国民の支持を得て、政権党にかけのぼる。

その政権初期にナチの所業を合法化しようと務めた法律家・内務大臣フリックの尽力があったものの、プロイセン軍人のモラルがベースにある国防軍とそのようなモラルとは無縁のナチの戦闘組織との対立がまずは突撃隊を排除する血の粛清事件を起こし、それが法治国家から政権のテロ組織化への大きな曲がり角だったこと、国防軍がナチの犯罪に加担することもあったが、敗色濃厚になった時期には、最後の一兵にまで生か死かを求めるヒトラーの指令に逆らい、降伏して無駄な戦いを避ける軍人のモラルに従った将軍が多かったことがよく掴めた。

ヒトラー最期の12日間、ワルキューレ、地獄に堕ちた勇者ども等の映画の良い参考書になる。
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