『戯言シリーズ』の5作目にして6冊目,
03年07月のノベルスの文庫化です.
重要な鍵を握るであろう人物の登場,その人物から主人公への『宣言』があるなど,
ここへきて物語は大きく動き出したようで,それに併せて世界観も語られていきます.
反面,やや唐突でスケールにも戸惑うところがあり,終盤に繰り広げられるバトルなど,
もはや初期のころとはまったく違う雰囲気に,もしかしたら違和感を抱くかもしれません.
物語は主人公の『変化』が内外面から描かれ,これまでとは一変する感情の爆発や,
抱えた内面の吐露,そしてそれを受け止め,送り出す相手とのやり取りが印象的です.
また,ある人物に起きる『できごと』はかなりの衝撃で,
過去作との繋がりはもちろん,
本作でのかわいらしい,いじらしいやり取りの反動もあって,強く胸を締めつけられます.
ただ,文庫にしてはかなりのボリュームも,中盤を過ぎるまでは大きな動きもないため,
どうしても中だるみになるのは否めず,にぎやかなやり取りにもくどさを感じることが….
強く残る場面があるだけに,このあたりもう少しスマートにまとめてほしかったところです.
ノベルス版との違いは,いつものとおり表紙,表紙袖の前口上,扉絵,アトガキ,しおりで,
カバーには
ノベルス版のとき同じく,『作品になぞらえた』仕掛けがあるので要チェックです.