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ヒトのからだ―生物史的考察
 
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ヒトのからだ―生物史的考察 [単行本]

三木 成夫
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

68年刊「原色現代科学大事典・6・人間」中の1章を単行本化したもの。人体を生命40億年の進化の歴史的産物として捉え、単純なものから複雑なそれへの過程がきわめて解り易く解説されている。〈ソフトカバー〉

登録情報

  • 単行本: 248ページ
  • 出版社: うぶすな書院 (1997/07)
  • ISBN-10: 4900470090
  • ISBN-13: 978-4900470095
  • 発売日: 1997/07
  • 商品の寸法: 20.8 x 14.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
この本の存在を知ったのは、吉本隆明の<真贋>という本がきっかけです。もちろん、それまでは、名前も知らず、こういう分野の本にも、いささかの拒否反応もありましたが、読んでみて、思わず引き込まれるように感じました。なにより、人間の中の動物的側面、植物的側面という発想と、進化の世界のいわば必然性という側面など、まったく、目新しい世界をのぞき見た感覚におそわれました。こうした本が、もっとたくさんの読者を得ていくことが必要だと感じました。
このレビューは参考になりましたか?
11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By くにたち蟄居日記 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
 三木の本を読むことは 本書で二回目である。

 吉本隆明から 三木成夫を知る機会を得たことは 本当に幸せであった。大学受験の際に生物を勉強していて 人体がいかによく出来ているかに感動した記憶があるが 25年を経て 当時の感動がよみがえってくる思いである。

 これは賭けてもよいが たとえば物流会社は 人体の血液や体液の流れを勉強することで 非常に大きなヒントを得るはずだ。実際 血液が担っている役割は酸素や栄養素を運ぶ「物流」に大きいものがある。しかも 数十万年という年月の中で 洗練され ある意味で「考え抜かれた」ケーススタディーであると断言できる。神が人間を作ったという グランドデザイン説が生まれるのも無理がないと思うくらい 人体はよく出来ている。

 人間は 自分が動物であることを忘れている面がある。しかし やはりどうしょうもなく動物であることに規定されている点も確かだ。三木の著作を読んで見えてくるものは 人間自身であり つまり自分自身である。
 本書がまとう ほのかな文学性が 本書を 比類なき香り高い一冊にしていることを最後に付け加えたい。本書で 其角という 俳人に親しむきっかけを得た。
このレビューは参考になりましたか?
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By トップ500レビュアー
形式:単行本
三木成夫は、1983年「胎児の世界」を世に問い、胎児の世界は気の遠くなるような永い時の恐ろしい程の圧縮であり、どんな生きものでも「いのちの波ー食と性」の連なりの中で生命進化のドラマを必ず走馬灯のごとく再現させていく。
それは「生命記憶」となって骨の髄まで浸み込んでいるとした。
その論証は、具体的で独創に満ち驚くべき内容であった。

ここでは、三木の洞察と俳人其角との親近性及びそのことは当然伝統(制度)仏教との違和感を導く件について取り上げる。
ユダヤ・キリスト教については、その人類至上主義から論外となる。

前提としてロゴスは両刃の剣であり表現、ことばを得た瞬間に世界は消えていく。ということである。
そして、それは人間だけにある前頭葉(精神ーつきつめれば「否定」ということ)の働きである。そこは自我の淵源でもある。

「涅槃」について。
「海棠の鼾ヲ悟れねはん像」 
ここには、「涅槃空」の黄金仮面に向かい、その内なる生命呼吸の故郷を、庭先の一輪に託して語りかけている一日本人(東洋人)の姿がある。謂わば微睡つつ宇宙と共振する植物の秘めやかな呼吸が、あの鼻腔に谺するすごい鼾として描き出されている。
始原の生命的現実的な「我」の意味合いが精神的・抽象的な「我」に変貌し、それが涅槃というロゴスに遁走する。
考えられたに過ぎない「涅槃」など現実にはないのだ。

「人は人を恋の姿や花に鳥」
われわれは、隣人や動植物はては無生物とも心がかようようになったが、生の中心が心臓(心情)から前頭葉(精神)へ移行しそして、凌駕され世界が観得から感覚となってしまった。

「蟷螂の尋常に死ぬ枯野かな」
動物性器官の、生ー殖ー死の根を一年生草木の植物性器官に観ている
本来、カマキリは交尾後雌は雄を食べてしまうのだ。

図版に弥勒菩薩像があるがその説明がいい。
動物性器官の入り口を代表する目は静かに閉ざされているが、植物性器官の入り口を代表する口もとには豊かな表情がただよう。古代の微笑とは植物へのノスタルジアをあらわしたものか---。
いい本である。
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