新聞広告に惹かれて購入しましたが、あまり参考にはならないと思います。
この本の功績は、ヒット開発の為のロジックに「1000万人に支持される」という発想を導入した事だと思います。一般企業であれば1000万人とは全く途方もない数字であり、発想のブレークスルーが必要となります。その為には、大衆(≒1000万人)がまだ気がついていない大きな需要を探すべしと議論が続き、自分を捨てて、大衆と同化する事で、金鉱を発掘せよと解いています。
最大の問題点は、大衆と同化して需要を発見する方法を具体的且つ理論的に説明する事が出来ず、本書の殆どをそのトレーニングの為の問題集にすり替えている事で、7割近くが問題と解説です。「ヒット率99%の超理論」についてはわずか40Pのデカ字だけで、問題解答もすごい発想は皆無です。
また、TV界のヒットメーカーの発想・理論を一般ビジネスに応用する事が本書の目的ですが、それが困難な理由が2つほど考えられます。
1.TVは、受身且つ無料サービスの為、何もせずとも総数1000万人以上視聴者がゴールデン帯には存在しており、代金を払ってわざわざ購入する一般商品とは比較が出来ない事。
2.TVは、漫才・クイズと大衆の好みに対応し、幅広いジャンルのコンテンツを作成する事が可能ですが、一般企業がジャンルを変更する事は容易ではありません。蒟蒻のマンナンライフが、チョコレートに参入するのは困難だし、ましてiPodを作る事は夢でも無理です。基本的にこんにゃくで勝負する必要があります。
TVマンとしての発想は、一般の商品開発・マーケティングとは違った側面で非常に価値があると思います。次作品では、ヒット商品開発の理論体系を提示される事を期待しています。