シモンズ関連では何枚かのベストアルバムが出ていますが、
このバージョンは「ベスト・ヒット集」よりも4曲多く、
その中には名曲「風はそよかぜ」「なぜかしら」が含まれています!
それだけでもこのアルバムの価値があります。
ただし、このアルバムだけを持っているシモンズファンには、
『シモンズ・ベスト・ヒット集』を手に入れることを強く勧めます。
曲目は同じでも、両者に収められているそれらが、まったく違うから。
ひとことでいうと、高音ピュアボーカルの田中由実子(北川ユミ)さんの歌唱の迫力が絶品です。
こちらのシモンズ(「ヒット・コレクション」)は、よくいえば素朴でピュアですが、
その分、アマチュアのような気配を漂わせています。ふたりのバランスも、玉井さんの比重が高い。
でも『シモンズ・ベスト・ヒット集』ではユミさんが、自分のボーカリストとしての能力に完全に覚醒し、
リード・ヴォーカルのポジションで、ど真ん中でメインで歌ってくれている。
楽曲は説得力にあふれて胸に迫る。これがシモンズです。
透明で、明るく澄みわたる歌声。美しいハーモニー。
素朴で心にしみるメロディーと歌詞。これが「シモンズ」の世界です。
『ふり向かないで』『恋人もいないのに』『つぼみ』『ひとつぶの涙』『おくれてきた少女』。
このCDの最初の5曲は、シモンズ・ワールド全開の、怒濤の展開で素晴らしいです。
このCDをかけた途端、あなたは高原の道を歩き、さわやかな風に吹かれていることでしょう。
ところでホントに昭和30年代と40年代は素晴らしいですね。
“ブースカ”はいるし、白黒テレビにちゃぶ台。グローバリズムの巨大陰謀もなく、
世界がテロと環境問題とに悩みまくる現実も、そこには影を落としていない。
だからこそ、田中由美子さん(ユミちゃん。直毛で、主旋律を歌う高音の人)と
玉井妙子さん(タエちゃん。低音の絶妙ハーモニーを付ける人)が歌う、最高の日本音楽が生まれました。
今のヒットチャートの上の音楽にはまったく存在できない“良さ”が、
シモンズ・ミュージックから味わうことができるのです。Thank you!