大人にも子供にも自信を持って薦めたくなる、それどころか是非観てほしいとすら思うほど面白い、最高のアニメーション作品である。
ストーリーそのものは非常にオーソドックスなものだが、だからこそ各キャラクターの描き方がとても深みのあるものになっており、個性的なキャラクターたちがそれぞれに活躍していく様を楽しめるようになっている。
また、「トゥース」を含むドラゴンたちの描き方も素晴らしい。怪獣らしさ、怖さをしっかり見せつつ、一方でちょっとした表情やひょうきんさを見せる時、愛らしく感じてしまったりもする。そんな魅力的な描写に満たされている。
映像的にも充実していて、壮大な自然の映像美が美しい世界観を伝えてくれる。冒頭、主人公の軽快なナレーションですんなりと人物関係や世界を知った後は、スムーズにドラゴンとの関係、そこから意外な形で主人公が才能を発揮していく様はとにかくテンポがよく、カタルシスと感動に満ちている。しかも前半のそれらのシーンを描く一方で、ゆっくりと進行するサスペンス(秘密がいつばれてしまうのか、その時どうなるのか)も感じさせるのも見事。
じっくりと試行錯誤を描いた後、初の飛行シーンではとにかく自分まで一緒に富んでいるような気持ちよさと爽快さを感じることができる。下手をすれば「アバター」以上に、最高に3Dで観る必要のある映画だと言える。
それから、音楽も素晴らしい。勇敢さや感動、雄大な世界観を感じさせる音楽はただでさえすべての場面が美しく楽しいこの映画を、一層盛り上げている。近年でも稀にみるほど素晴らしいスコアだ。エンディングに流れる音楽まで、漏れなく良い。
ラストに訪れる展開は子供向けの作品ではありえないようなちょっと意表をつかれるものだが、「トゥース」との関係性を考えればこれ以外考えられない素晴らしいアイデアだ。
オープニングからエンドロールまで、カタルシスと感動と爽快さを感じさせる、ファンタジーの傑作。
数年後公開されるという続編にも期待が高まるが、仮に作られなくても、これ一本だけで充分に価値のある最高の映画の一本である。