80年代の英国は、今の日本に似て、経済が停滞し、自信も無くし、その一方で、中流化が進み、オックスブリッジにも公立校からどんどん入れるようになった時代だった。英国は意外と階層の流動化が進んでいるのだ。だから、入試教育は重要で、公立校の校長はいかにオックスブリッジに生徒を入れるかが世間や地方自治体の関心なので、特別クラスを作る。
ヘクターは、古い英国を代表している。ホモで、教養に溢れ、人間味があり、服装は変、日常生活は失敗ばかり。日本の旧制高校的な教育者像がある。一方、校長が呼んできたお雇いコーチ(高校野球の監督みたいだ)は、入試技術を教える。この二つの対立。古い英国と新しい、機能主義で、成績主義で、金儲けの英国。サッチャー主義が勝利した如く、新しい英国の価値観を代表しているかのようだ。
生徒たちは入試に成功し、無事オックスブリッジに入り、成人するのだが、その後は大したことがないことが後段で示される。
教育とは何か、特に子供の人生に一番影響の大きい中等教育(高校時代)の教育について、考えさせられる。舞台とは映画は若干異なっているので、戯曲も読まれるとよろしいかと。教育とは、人間作りであって、成績ではないのだよ。