うまい作品だ. 学校の中において,神に選ばれたかのように振舞う体育会系を頂点としたヒエラルキーは確実にある.年齢が上がるにつれて頭の良さに対する評価が高まって行き,ヒエラルキーはより複雑化していくが結局のところ体育会系が最上位という形は変わらない.そして,それが気に食わない多くの一般人と少数のマニアが日本の学校のいたるところに存在している.
本書ではこの体育会系とマニアが対立するわけだが,このマニアの書き方が著者は実に巧みだ.ある種の豊富な知識に裏打された根拠を元に不平不満は口に出しはするものの,行動力となると皆無に等しい烏合の衆.そしていつでも不潔さ,陰鬱さがマニアには付き纏っている.それゆえに社会的には毛嫌いされる傾向があるのだろう.
デフォルメが行き過ぎてあまりに綺麗に書かれたスーパーマン半藤にはまるで共感できなかったが,割と現代の学校社会をうまく表現している本作.自分はどこに属していたかな,などと思い出しながら読んでみるのも面白いかもしれない.