世紀の大傑作「ヒカルの碁」の愛蔵版。長らく漫画史上最高傑作と思ってきた(一応頂点に「生物都市」が君臨しているのだが、あれは神の作の別格と言うことで……)「マスターキートン」を軽々と越えてしまった大傑作。伊角との再戦でヒカルが泣き出した場面で泣かない人はいないだろう。今でもあのシーンを思い出す度に泣けてしまう。泣ける作品数あれど、思い出し泣きするのはこれだけ。
そんな大傑作なので、これを買う人達はコミックスを持っているはず。だからもうちょっと特典を付けてもらいたかったかな、というのが正直な印象。
人によっては、巻数を減らして値段を抑えるべきという意見もあろうが、巻数を減らせばその分一巻の厚さが増し、読む時に痛んでしまうのも事実。値段も、劣化の少ない上質紙と言う事を考えれば致し方なし。
少年が大人に変わっていく中で、大切なものを失っていく姿を、こうもすがすがしく書いた作品が他にあろうか。それが証拠に、伊角との対戦を境に、ヒカルははっきりと大人として描かれている。
左為という大才が世に出るのを、自分が潰したという後悔に苛まれていたヒカルにとって、アキラの「ヒカルの中に佐為という別人がいる(た)」と看破した言葉がどれだけ救いになったことか。だからこそ、夢の中で、ヒカルは左為と面と向かえあえたのである。
とにかく全編泣き所満載。
ストーリー、絵共に文句無し。小学館の漫画賞はだてではない。未読であればぜひ読むべき作品。これを読まずして何を読む。