最も参考になったカスタマーレビュー
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5つ星のうち 5.0
主題と日常の世界感の見事な一致, 2011/2/20
レビュー対象商品: ヒア アフター ブルーレイ&DVDセット(2枚組)【初回限定生産】 [Blu-ray] (Blu-ray)
まず言いたいのですがとても素晴らしいの一言です。 洋画でここまでスピリチュアルなテーマを描きながらも、全く押し付けがましくなく生きる事に対する苦悩や現実と理想の矛盾、 に対して前向きに向きあう事を包み込むように教えてくれる映画はそうはなかなかありません。 なんといっても洋画にありがちな皮肉やジョークがほぼなく実にゆるやかに進行する日常の描写がとても秀逸です。 リズム感なく淡々とつむがれるシーンの数々はとても口数が少なく、BGMもとてもシンプルな物が彩るのに見ていて全然飽きが来ない。 引き込まれる訳でもないが突き放される訳でもない。独特の浮遊感がある世界観は「死後の世界」という重いテーマとは裏腹にどこにでもありそうな 日常と現実を描いていて、あまりにごく身近といっては変だがなぜか親近感が湧いてきたりもする。 それはきっと私たちの日常のなかでも誰しもがやりきれない悩みや人には言えない秘密を大なり小なり抱えているからなのだろう。 そういった演出もさる事ながら主役はもちろん全ての登場人物が程よい緊張感と肩の力を絶妙に抜いた日常感を併せ持つとても白眉な演技をみせていて、 ご覧になった方はそういった演技の良さをもひしひしと感じる事だろう。 また転職する時や堂々巡りが続く悩みを抱えたとき、誰しもが経験する出会いと別れの中で出てくる欝を感じたときにふともう一度見てみたくなる 一本だと思います。多分私はその度に日本に古来からある「一期一会」という言葉の意味を理解して、大事にするのだと思います。
34 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
イーストウッド版クリスマスキャロル, 2011/8/15
レビュー対象商品: ヒア アフター ブルーレイ&DVDセット(2枚組)【初回限定生産】 [Blu-ray] (Blu-ray)
恋人とのバカンス中、大津波におそわれ臨死体験をする女性ジャーナリスト、マリー(セシル・ドゥ・フランス)、双子の兄を交通事故で喪い里子に出されるマーカス少年、人間関係に疲れ孤独な生活を送るジョージ(マット・デイモン)。三者三様のストーリーが不思議な縁に導かれやがて一つになるスピリチュアリル・ヒューマンドラマ。 タイトルの「ヒアアフター」とはすなわち「来世」のこと。デイモン演じるジョージは、相手の手に触れるだけで霊界とコンタクトできる正真正銘の霊媒士という設定だ。とかく新興宗教等に利用されやすい霊能力には胡散臭さが常につきまとう。イーストウッドはその辺りを考慮して、わざと怪しい霊媒士をたくさん登場させて、本物のジョージと対照的に描いたという。 一歩間違えば、丹波哲郎の大霊界とさして変わらない物語に、2004年のスマトラ島沖大地震により起きたインド洋大津波や、ロンドンの地下鉄爆破テロ事件などの時事ネタを盛り込み、信憑性を補完した演出は(ナイト・シャマランとはひと味違う)イーストウッドならではの気遣いといえるだろう。 パリ、ロスアンゼルス、ロンドンという離れ離れの場所で淡々と進む(どちらかというと暗めの)エピソードを繋げたピーター・モーガン(フロスト×ニクソン、ブーリン家の姉妹等の脚本家)のシナリオを読んだスピルバーグが、イーストウッドに感想を求めたことがきっかけで映画化が実現したという。 (多くの方が指摘しているように)突如として主人公がある新能力を発揮する結末に当初違和感を覚えたものの、ジョージが寝る前にかかさず聴いていたラジオから流れる、英国の文豪チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』をベースにしたラストだと考えれば、むしろ納得感があるだろう。 人間関係を閉ざしたスクルージ(ジョージ)が、過去(マーカス)・現在(料理教室で知り合ったメラニー)・未来(マリー)の精霊たちに導かれ心を開いていく物語は、本作の人物相関図にぴたり一致することに驚かされるのだ。スクルージと違ってジョージは、未来の精霊ことマリーの中に、絶望ではなく希望を見出すのであるが・・・・・・ スピリチュアルものかと思わせて、しれっと最後はディケンズでしめくくるあたり、やはりこのイーストウッド只者ではない。
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5つ星のうち 5.0
崇高な贈り物, 2011/2/23
レビュー対象商品: ヒア アフター ブルーレイ&DVDセット(2枚組)【初回限定生産】 [Blu-ray] (Blu-ray)
この映画は、監督がクリント・イーストウッド、主演がマット・デイモンと言うことで、以前より楽しみにしており、初日に観てきました。いつもなら映画が終わって、エンドロールが始まると、多くの方が我先にと、席を立って出て行くのですが、この「ヒア・アフター」にかんしては、館内の照明が明るくなってから、席を立つ方がほとんどでした。印象としては誰もが、おだやかで崇高な、贈り物を頂いて、そっと心にしまい込んで、席を立つようでした。がつんとくるような感動ではなく、心の中にゆっくりとしみこむような感動でした。素直に「ありがとう」と言いたい映画でした。
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