獣木野生さんは、かつては伸たまきという名前でこのシリーズを描いており、当時からの読者。「午前の光 honeymoon with life」はこの三冊目で完結と、「愛でなく」などの長さから行くとコンパクトに収まった印象。
この刊では、ついにJ.B.の実父の名が判明するなど、パームシリーズを読んで来た人には見逃せないものとなっており、逆に言えば、パームシリーズの既刊をあまり読んだことのない人は、この刊を先に手に取ってはならない。
この一連の作品では、前のシリーズにおいて各キャラクターの晩年について触れられていることもあり、人生の儚さ・切なさが読者の意識に常につきまとうが、そのおかげで人の何倍もの速さで生きている男をめぐる、波瀾万丈かつコミカルなストーリーにおいて人生の一瞬一瞬のきらめきとその素晴らしさがより強調されるような効果がもたらされている。