1981年に原著が刊行され、84年に日本語訳が単行本で出版された作品。著者の精選された講演、手紙、短編、インタビューを組み合わせた、まさにコラージュと呼ぶのがふさわしい作品。(合衆国)憲法修正第一条(注:表現の自由を定めた条項)、家族史、マーク・トウェイン、ジョナサン・スウィフト、ドレスデン再訪等をテーマにして、ヴォネガットの世界観・人生観が、この時期の少し乾いた著者独特の文体で縦横に語られる。しかし根底にある人間への温かいまなざしは変わらない。無神論者である著者の説教「世界の首都で」が一番温もりが感じられて好きだ。そしてもっとも興味深いのが、著者の作品(本作を含めて)の自身によるAプラス〜Dでの採点。最高のAプラスをつけているのが2作品:「猫のゆりかご」と「スローターハウス5」。他の作品の評価は読んで確かめて欲しい。総じて「スローターハウス5」の後の作品の自己評価が低いが、「ヴォネガットさん、自分でわかっていらっしゃるじゃないですか」と声をかけたくなる。ちなみに、本作の評価はC。しかし、これは本作が寄せ集めの作品であるので謙遜しているのだろう。私は、この楽しくて、しんみりする箇所もある寄せ集めの作品をB(星4個)と評価する。