泣ける映画ならたくさん見てきましたが、見終わっても印象深く考えさせられる
作品というのはなかなか巡り会えないものです。
私にとってのそういう映画がこのパーフェクト・ワールドでした。
前半は少し退屈な印象でしたが、淡々とした描写はラストシーンを印象深くする
ために必要不可欠な描写だったのではないでしょうか。
何故かラストシーンの原っぱと空の描写にとても心を打たれます。
あのシーンはあの場所で撮ってこそ意味のあるものになったのではないかと思います。
見終わった今も、フィリップとブッチの何気ない会話や風景が浮かんできます。
映画の中の何気ない会話や日常風景を、身近に感じられるほどリアルに印象付けると
いうのは簡単なようでとても難しいことだと思います。
それも、脱獄者と誘拐された子供という2人でこのような映画が作れたのは奇跡とすら
思えました。ブッチは私の思う悪人とは違いますが、正義なわけでもなく、ただただ
何かを悟っているように見えました。
パーフェクト・ワールドにはそんな私でもぐいぐい引き込んでいく魅力があります。
ですが、この映画は銃撃シーンがあるとはいえ、ハリウッドのアクション映画が好きな
方には物足りないと思います。
ヒーローや悪善を派手に描写した映画にちょっと疲れた方にはオススメの映画です。