クィネルの八作目は処女作「燃える男」のクリーシィが再び登場。クリーシィシリーズが
ここからスタートする。以下四作にわたって、この炎のような男の大活躍を読むことが
できるわけだ。物語はむごい悲劇からはじまる。クリーシィはナディアと結婚し、娘にも
恵まれ、幸福な日々を送っていた。ところが飛行機爆破テロによってふたりを奪われて
しまう。なんと!われらがクリーシィに平穏な人生は許されないというのか! 実はこの
爆破テロ、史実である。1988年12月21日に起きたパンナム103便爆破事件だ。 この
事件の犯人については諸説あるのだが、そのあたりは訳者によるあとがきに詳しい。
この小説では真の黒幕をアハメド・ジブリル(これも実在のイスラム過激派)とし、クリー
シィは彼への復讐を決意する。つまり「燃える男」と同様に敵討ちものである。とはいえ、
単身での目的遂行は困難と判断したクリーシィ、なんと養子をとることを決意するのが
見所。このマイケルというのがまたスゴいのだ。果たしてクリーシィ親子はにくむべき
敵を倒すことができるのか?チーム・クリーシィの面々も初登場の1992年発刊の作品。