男子シングルファンのわたしには大変価値のある内容でした。4回転論争に始まり、プルシェンコ選手を取り巻くロビー活動と未だに続く冷戦の名残。フィギュアスケートと云う枠を超えた重厚さ、面白さだといっても過言ではありません。
ただ、ワールド・フィギュア・スケートやNumberなどの読者にはかなりの部分重複する内容でしたのでそこはご了承を。わたしは、この告発にも近い内容を掲載してくださった意義に対してお金を払った節があるので値段に異論はありませんけれども。
上記の下りに関しては、フィギュアスケート界に多くの人脈を持つであろう筆者が良くここまで書いた、と感服せざるをえません。
田村さんは前著からも伺える通り、男子シングルや北米フィギュア界に強く関心を寄せていらっしゃる様子。男子シングルの4回転論争がかなり充実していたのに対し、日本選手や女子シングルに関する下りは必要に迫られて書いた感が無きにしも非ず。
その点では、タイトルに少々偽りあり、というところでしょうか。女子シングルを中心に動く日本フィギュアブームの空気をそのまま求める読者には消化不良の内容となるかもしれません。