本書のはじめにで著者自身が述べているように、本書は「成功ノウハウ本」の1種であり、PM(プロジェクトマネジメント)の本ではない。しかし、仕事以外の個人のプライベートな活動をPM的視点で考えるとこうなる、ということを述べているという点ではPM的なものの考え方に関する本である。著者がPMの第一人者であるとはいえ、PMの技法について学べるわけではない。
読後の感想としては、著者がPMとして非常に著名な方なので少し期待しすぎたところがあり、特に紹介事例は意外に平凡な印象を受けた。考えてみれば、PMという手法そのものが、事象の見えるかによって制御可能な状態にすることが本質であり、そういう意味では各事例もPM的手法で表現すると、実行そのものは極めて平凡なものになる。
本書の価値は、目標達成するために必要な要素をPM手法という確立された手法のアナロジーで理解することによって、目標達成のために、何が自分にとって重要かを判断しやすくなるということである。たとえば、私の場合、ステークホルダーの合意という部分で、配偶者の合意をとりつけることの重要さにあらためて気づかされた。仕事ではあたり前にやっていることを、私生活に応用するという点では、PM手法以外にも活用できることがあるかもしれない、と気づくこともできた。