著者は一次大戦後の海軍に務めた経験から、この皮肉な「組織の」普遍の?「生態学」を発見するのだが、曰く、大戦で海軍は巨大化したが、大戦後も肥大化し続け、その人員比は著しく海軍官僚に傾いていった。つまり、「実際に海の上にいるヤツ」は(空軍の発達もあり)どんどん減っていったのに、陸上で事務処理するお役人は逆に増えていった。有名なパーキンソンの第1法則「役人(事務屋はでもイイ)の数は、その仕事の重要性や有無に関わらず肥大化する」の誕生である。
続いて議論は「物事を決めるのに最適な人数」に関する考察へ進む。イギリスの政治機構史で辛辣に解説されるのだが、王様の独裁から実務的な行政機構として始まったのが「上院(貴族院)」で、時代が下り次第に肥大化し(議論する人間が多いと何も決まらなくなるので)、実務担当レベルはその中から選ばれた一握りのグループが行うことになった。これが「元老院」だったが、性質上また肥大化し、これも執行レベルで無意味な組織になり、やがて遂に「下院」が成立する。しかしソレも肥大化してその中の本当に実務的な小グループが「内閣」になった(だから内閣を指す用語はcabinetと?な語義の隠語?になっている)。各国の行政機関の大臣の数を調べると、大体3~9。これ以上人がいると何も決まらない。あなたの身の回りにもありませんかそんな会議。なければ非常に健全です。翻って今の日本はどうかと考えると怖ろしい。
日本語訳はなぜか原子物理学の先生。海外の大きな会議などでこの本を知らないとモグリだそうで。翻訳でも対訳でも読める日本は恵まれている。本当は、会社(で)の成功と衰退を1冊に収め「コミッティーズム」いかに専門家会議を運営するか、という逆の立場からの考察を含めさらに皮肉タップリな「…成功法則」(原題は「In-Laws and Outlaws」)の方がお薦め(またも父の蔵書より)ですが、今は原著含め絶版です。