図書館で何気なく在庫していたので、借りてみました。10年程前に竹松さんの演奏をテレビで視聴していた、おぼろげな記憶がきっかけでした。その時、ハープという楽器を具体的に知ることになりました。私は趣味でクラシックギターをやっているので、その類似性。具体的には弦楽器であること、撥(指で弾くタイプ)楽器であること、旋律と伴奏、ベース音全て単体の楽器で演奏できるという共通性に強く惹かれた記憶があります。
ギターは別名「小さなオーケストラ」ともよばれ、単独楽器でボリフォニックな演奏はピアノの独壇場と思われがちですが、ギターも劣らないのです。そして、ハープという楽器もまたその存在に名を冠するのだと実感しました。
井上艦さんといえば、JPOPのアレンじゃーとして名を馳せていますが、まさかハープの編曲までされているとは、その多彩な才能には驚きます。
このCDは、そのような背景もあり、ハープ単独の演奏がとても多いのが特徴的です。しかし、その存在感と重厚感には驚くばかり。正に小さなオーケストラです。ライナーノーツには、ビブラートなどができない欠点が記されていますが、その欠点を帳消しにするような、魅惑的な楽器です。タッチがダイレクトに耳に届くので、奏者の感情というのが予想以上に響いてくるので、とても心地よいです。竹松さんの卓越した技量というのをこのタッチでとても感じます。ピアノはハンマーを介して音を出しますが、ギターやハープはダイレクトに爪や指から音を伝えるので、本当にその奏者の心情によって同じ曲でも、聞き手に伝わる音はかなり変わってきますね。
竹松さんの音は、かなり鋭い、硬質な、サウンドで「音粒」という表現が相応しいかと思います。とはいうものの、けして無機質なものではなく、エッジの効いた音でありながら、優しさやふくよかさが放たれています。核が鋭さだとすれば、その周囲に包まれている大気が優しさといった具合に、両者の魅力が「音粒」として集約されていて、聞いていてとても心地よい気分になります。
このCDを通しで聞いて、何度も途中で眠りに落ちてしまいました。覚醒したかと思えば、また眠りに落ちて。。。物凄く音にマイナスイオンが含まれている感じがします。
環境BGMCDの要素をもったような、実に心地よい音楽です。