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「鮫」シリーズと同じようなスリリングでテンポのいい作品を
期待しながら読み進んでいったのですが、
そこまでのパワーは、残念ながら感じることはできませんでした。
やや、「大沢臭」は薄らいでしまったようにも。
しかし、不思議な読後感は覚えることができました。
皆さんの判断で購入を決めてください。
でも、ファンならば買い、ですね。
ある意味で孤島の連続殺人ものでもあるので、ミステリー色を強く打ち出
した感じもなくはないですが、全体的に地味な仕上がりです。
哀愁漂う作風も良いですが、孤島を舞台にしてしまったらそのまんまです
から、大沢先生にはできれば都会を舞台に書いて欲しいなぁ。
といった展開だ。
島内部の地区同士の争い。
米軍からの返還時の麻薬を巡る利権。
半ば公営といっていい売春宿。
そこに勤める美女。
謎の外人医師。
ヘリコプターで隔離された別荘へやってくる島出身の富豪。
舞台や登場人物の設定は、まさにウエスタンを思わせるものがある。
途中から、捜査に加わる1課の刑事がかつての同僚。離婚した元妻は警視庁のキャリア。
と、大沢ならではのディテールも魅力的だ。結末のつけ方に少々不満は残るものの、エンターテインメントと割り切れば、最高の一作である。
ハードカバーにしては活字が大きいためにページ数がかさみ、持ち歩きにくい仕上がりには納得がいかない。
どちらかと言えば、ノベルス本のような感じで(つまり、ペイパーバックみたいに)読みたい話なのである。
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