惑星間移住のため、地球から遙か離れた惑星にむけて飛行中の巨大宇宙船エリジウム。
その内部で2人のクルー、ボウワー(ベン・フォスター)とペイトン(デニス・クエイド)が冷凍睡眠装置から覚醒します。
しかし冷凍睡眠の副作用により二人の記憶は極度の混乱状態。
なぜ船内が闇に包まれているのか?
他の乗組員はどこにいるのか?
そして船体下方から伝わってくる不気味な振動の正体は何なのか?
階級が上のペイトンはボウワーを船内探索に向かわせるのだが、ボウワーは暗闇に包まれた船内に何者かの存在を察知する・・・。
絵にかいたような「SFホラー」です。
ストーリーを説明しずらいのは、実はミステリの要素が入っているから。
前半部分の雰囲気作りとお話の風呂敷の広げ方は中々に不気味&ミステリアスで魅力的です。
加えて船内の巨大なセットやデザインは流石にアメリカ映画らしく良く出来ていて見応えがあります。
主演のデニス・クエイドは相変わらず手堅いですし、ヒロイン(アンチュ・トラウェ)も中々魅力的です。
ただし物語後半の回収部分の展開はお世辞にもうまいとは言えません。
それに画面がひどく暗く細部が良く分らないシーンが多いことや展開上、重要である筈の船内構造が全然明確でなく、
結局、ただ主人公たちが右往左往しているだけにしか感じられずサスペンスが高まらないのは問題ですね。
それと肝心の「モンスター」との対決のシークエンスが「バイオハザード」などと似たり寄ったりで新鮮味に欠ける気も・・・
ラストのオチを含めてSFマインドを感じさせる点もあるのですが、どうも見せ方にいま一つ工夫が感じられず、ひどく「勿体ない作品」という気がしました。
もっとSFならSF、ホラーならホラーと割り切った作り方に徹した方が良かった気がします。
本作、元々はビデオで制作されるはずの低予算作品だったそうで、その辺りに「錬り」が足りない印象の原因があるのかもしれません。
とは言え、「物語」ではなく「雰囲気」を楽しむつもりでご覧になる分には楽しめるのではないでしょうか?