1998年発表の1stアルバム。実はこれ、P-VINEがディストリビュートを引き受けるまで、「何をやりたいのか、よくわからない」ということで、持ち込まれたどこのメーカーもまともに取りあってくれなかったという。これは、当時の各社の担当者に聴く耳がなかったというのもあるかもしれないが、確かに「俺たちはこういう音楽性を持っていて、こういう路線でやって行きたいんです!」というようなことは、このアルバムを聴いていても、ハッキリとはわからない。というか、ここにいる5人(当時)は、ただやりたい音楽を、やりたいようにやっているだけなので、ストリップの歌ありインド歌謡ありというそのあまりのムキ出しっぷりに、皆さん反応に困った、といったとこなんじゃないだろうか。
剣さん的には、1995年に発表したソロ作『
クレイジーケンズ・ワールド』で、頭の中で鳴っていた音楽―それらは今日、CKBのアルバムで聴けるものとほぼ等しい世界観のもとにある―を再現したあと、新編成でのバンドによる一発めということで、スカッと抜けた感じの勢いに満ちている。この感じは、今後CKBがどんな傑作アルバムを作ったとしても、そう出せるものではないだろうし、だからこそ剣さんも普段から「このアルバムを超えることが目標」と語っているのだと思う。
「葉山ツイスト」「イカ釣り船」「けむり」「空っぽの街角」と、今日まで大切にライヴで演奏されているナンバーも多く収められているが、個人的には、メロウな「そこまで云わせといて」や、聴いていると、何故か胸が苦しくなるような切なさが迫ってくる「珈琲キャンディー」あたりを、この上なく愛している。
………いいアルバムです。