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しかしこれほど荒唐無稽なハナシでありながら、エピソードの数々は痛いほどリアル。会社員も元会社員も「あーっ会社ってこーゆーとこ」「いるいるこーゆー奴。てか皆これ」と、憤懣やるかたなし状態になるは必定。オレオレ男たちに押しまくられるとほほな日々を送られる皆さまは是非お手に取ってご覧あれ。勿論会社員との不毛なつきあいは会社員以上、というフリーランスの方にもおすすめ。
こんな馬鹿馬鹿しくって下品な小説なんて外道だ、文学はもっと心の機微を表した繊細なものでないと……と思った方は、大いに誤解している。はっきり言って町田康ほど繊細な作家はいない。彼は夏目漱石の再来と言いたいほど徹底して繊細かつ知的であり、しかも非常に優れた文明批評家でもある。「パンク侍」では非常にたくさんの変人が出て来て変なことを好き勝手にしゃべっているが、これが悉く、実に見事に現代人を風刺している。全然雰囲気は違うけれど、「我輩は猫である」を髣髴とさせる饒舌な文才だ。
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