74年当時の写真を掻き集め、個人的にスライドショーを編集した際に、
その頃発売されたJohn のNumber 9 Dream をBGM に加えた。まぁフォー
ク歌謡全盛時代でもあったのでそれらも入れ、他にAmerican Top 40 の
ヒット曲も幾らか付け足した。編集の途中で試聴したのだが、John の
曲の音質が他に比較して聞くに堪えない低レベルであることが明瞭だっ
た。自前のオーディオ装置が急にイカれたのではないかと訝しんだぐら
いである。ツイーターがイカれ、スピーカーが箱鳴りを始めたのかと焦
ったぐらいである。
ステレオ感乏しく2つのスピーカーの間に縮こまったサウンドが基本に
あり、ノイジーでしゃわがれたJohn の声が楽器のしゃわしゃわした耳
障りな背景音から分離感悪く響きまくる。ベース音の粒立ちも悪く、最
初から騒がしい、S/N 比の悪い音がドンシャリと4分も続き、聴き疲れ
する音楽となっている。このCDに収録されているWatching The Wheels
などは大変音も良く、生理的に耳に心地良く聞けるので、特にリミック
スなどの作業自体が全般的に不首尾に終わった品と言うことも無さそうだ。
インターネットで使い廻したjpg 画像にブロックノイズやモスキートノ
イズが現れ、顔はグラデュエーションが落ちてのっぺりする例など多い
が、意図的な当時の音作り(加工作業)で元々ギリギリの音質となり、
それが1つの加工(今回の加工)を加えただけで破綻を来したのではな
いかと思うが、担当者も大変だったのではないかと思う。Mind Games も
全く同様の音作りである。当時シングル盤を買って聞いた自分の「記憶音」
では、両曲ともこの様な低音質感を覚えることなく楽しく聞くことが出
来ていた。
時代は流れ、音の再生環境も当時とは違ってきているが、何も原音に忠
実にCD化する、その方向にリミックスを掛けるなどするのが良い訳では
ない。昔のネガフィルムをPCに取り込んで表示したり、インクジェット
プリンターで印刷するとがさがさした見てられないような写真になるが、
昇華型のプリンター(銀塩現像に近い方法)で焼くと(当時見ていた様な)
透明感有る写真が得られる。詰まりは良いリミックスとは現在の再生機器
を使って当時のアーティストの意図する音を再現することであって、そ
れこそが真の意味での忠実再生では無いだろうか?
Number 9 Dreams に関しては、銀塩写真の粒状性をそのまま「原音」と
して捉え、いじくり廻して破綻した悪しき好例と思うが、元々のアナログ
音源を、電子機器を通じて人間の耳にするアナログ音に加工する「思想」
や技量に足りない音源と考えた。ここら辺をプロ意識で今後何とか改善し
て欲しい。
John のspirit を大切にしたいがゆえに思うところを述べた次第。