嗚呼この本が10年前にあったらな。当時、パワポも95時代で、先行するスライドソフトであるパースエーションに比べると細かい設定も出来なくて、企画書作りに苦労したもんである。元々パワポは紙芝居的に枚数で見せるスライドソフトだから、1ページの情報量が企画書の密度では考えられていない。土台ムリがあるのだ。10年前はプレゼン環境もスライドではなく圧倒的に紙ベースだった。当時の企画書屋や広告屋、マーケッターは、“他にないから”パワポを企画書作りに援用したのである。あれから10年、この本に開陳されている幾多のノウハウは試行錯誤の賜物であり、パワポで企画書を作った人にしか理解できない感動がページの各所に潜んでいる。
圧巻は600例の企画書テンプレートで、しかもWebからファイルがダウンロード出来てしまうというオープンソースぶり。企画書って結局昔作ったものを焼き直したりすることが多いわけだし、見よう見マネが企画書作りをモノにする最短ルートだと思うから、このテンプレートは嬉しい。まぁ、最初っからテンプレートにあたるんではなく、自分で企画書をイメージしてからチョイスしなくちゃ駄目だけどね。企画書のフォーマットって思考を端的に表現するし、逆に言えばどのようなフォーマットを選ぶかで思考が規定されちゃう部分もある。「人は見た目が9割」なんて本がベストセラーになったけど、企画書もある程度までは、概念ではなくカタチなのだ。只、この作者が惜しげもなくノウハウやテンプレートを開陳するのは、「9割は見た目だけど、残りの1割は秘伝のタレ」で、コア・コンピタンスをきっと持ってるんだよね。只の企画書屋じゃないっていう自負がある訳で。
とにかく、これ一冊あれば9割がたの人を納得させる企画書が、初心者にも即、作れるスグレモノである。