パロール・ジュレと呼ばれる凍った言葉を巡る物語。
言葉が凍りついて結晶になるという北の街、キノフ。何故この街では言葉が凍るのか?
その謎に魅せられて次々と現われる登場人物達。
書物を渡り歩くフィッシュと呼ばれる諜報員、彼を追いかける刑事、水晶の目を持つ謎の女性。
凍った言葉を解く4人の『解凍士』。
彼らの過去や思惑が複雑に絡み合い、繋がり合って、最後に1枚の美しい織物が出来上がるようなストーリーに
わくわくしながら読み進めました。
吉田篤弘さんの描く世界は、ファンタジーとリアルの狭間にある、どこかにあるようでない街。
すぐそばにあるようで、遠いどこかのようで、懐かしい過去のような、未来のような不思議な世界です。
そしてこの作品には、凛とした透明さと、生きていく上で生じる生臭さ、とのどちらをも感じます。
この2つは一見相反するようで、でも光と影のように切り離せないモノなのだろうと思います。
是非、パロール・ジュレの謎を追いかけてみて下さい。