ヴィム・ヴェンダース監督が12年ぶりにヨーロッパで製作した作品。
個人的には「時の翼にのって」以来18年ぶりのヴェンダース作品です。
今回は「生と死」といった普遍的なテーマで、舞台のパレルモの景観も退廃的で美しく、比較的馴染みやすい世界観でした。
内容は、「ジェイコブス・ラダー」や「エンジェル・ハート」のような系統とは当然違って、
デニス・ホッパー演じる死神とのやり取りは、緊迫感もなければ感動的でもなく、少々退屈で不可解かも。
主人公フィンを演じるカンピーノはドイツのシンガーとのことですが、演技的にも問題はなく、なかなかヴェンダース作風にハマっています。
死にとりつかれたフィンに生の意義を与えるヒロイン、フラヴィアを演じるジョヴァンナ・メッゾジョルノは、
どことなく影があるが、本気で一緒に居たいと思わせる知的な癒し系美女で、作品のクオリティ向上に大きく貢献していると思います。
また、ミラ・ジョヴォヴィッチが妊娠姿の本人役で序盤のみ出演していますが、
「ベルリン天使の詩」で同じく本人役で出演していたピーター・フォークのような、主人公の人生観や死生観に直接影響を与える重要な存在ではなく、
死に対する生の象徴としてのチョイ役といったところです。
個人的には好みの作風でしたので、ヴェンダース作品が少しでも好きな人なら一見の価値ありと思いますが、
近年のハリウッド映画や邦画が好きな人にはちょっと厳しいかもです。
予告や劇中で流れていたジェイソン・コレットの「We All Lose One Another♪」は結構好きになりました。
ブルーレイの画質・音質としては及第点で、特に不満のないレベルです。