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パルチザンの理論―政治的なものの概念についての中間所見 (ちくま学芸文庫)
 
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パルチザンの理論―政治的なものの概念についての中間所見 (ちくま学芸文庫) [文庫]

カール シュミット , Carl Schmitt , 新田 邦夫
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

王朝間の戦争を、傭兵を用い、「在来的な敵」を相手どって行なうゲームとすれば、ナポレオン軍に対抗したスペインのパルチザンは、史上初めて相手を、自らの実存を脅かす「現実の敵」と認識した。19世紀までのヨーロッパ公法は、主権国家と「正しい敵」(この「在来的な敵」と「現実の敵」)概念によって秩序づけられていた。20世紀はこの崩壊を目の当たりにする。一方、19世紀初頭以来萌芽状態にあったパルチザンは、レーニンと毛沢東によって革命と戦争の主役に躍り出るとともに、敵概念にも決定的変化をもたらした。爾来、「絶対的な敵」殱滅への道程が用意される。『パルチザン』をキーに20世紀の経験の変容を叙述した、シュミット政治学の白眉。

登録情報

  • 文庫: 238ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (1995/10)
  • ISBN-10: 448008228X
  • ISBN-13: 978-4480082282
  • 発売日: 1995/10
  • 商品の寸法: 15.8 x 11 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By θ トップ1000レビュアー
形式:文庫
まず、読む前に「政治的なものの概念」を読むか、役者解説に目を通すかはしておいた方がいい。
「正規戦」「現実の敵」「絶対的な敵」などのシュミット独自の用語の定義がわからないと、本文を読んでいても内容がつかめないだろう。

内容は、おおまかにはパルチザンの歴史的変化を記した「理論の展開」の章と、「敵」概念の理論的な枠組みを記した「序論」「最近の段階の局面と概念」に二分できるだろう。

「敵」概念の理論は、大まかに言って「在来的な敵→現実の敵→絶対的な敵」と歴史的に変化してきている。

「在来的な敵」は、王が傭兵を雇ってゲーム感覚で行う戦争における敵を指している。
「現実の敵」は、自己の存亡をかけて戦う戦争における敵を指している。
上記二つが「正しい敵」とされる。そこにおいては、戦争の限定と敵の尊重があるからである。

一方、「絶対的な敵」は、犯罪者としての敵、非倫理的な敵であり、そこにおいては敵は徹底的に殲滅されるべきとなる。
敵に対する尊重はされず、容赦ない戦争となるため、戦争はより悲惨なものとなる。

そして、戦争違法化は、戦争を遂行しようとしている者、またはそう目された者が「犯罪者」となり、その「犯罪者」を殲滅する戦争は「正しい戦争」となる。
そのため、戦争違法化が逆説的に悲惨な戦争を招くのである。

そのためシュミットは戦争は不可避であり、戦争の限定こそが必要であるという無差別戦争論をとる。

パルチザンについては、それは戦闘員と非戦闘員の区別を不可能にする、つまり戦争の限定を破壊するため、本質的に非正規である。
ゆえに、パルチザンを法的に保護する(例えば捕虜資格を与える)などは、人道的措置ではなく、むしろ逆である。
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15 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
ユダヤ人問題、ケルゼンの敵、第二次大戦の戦争責任などであまり評判の良くないカール・シュミットの手による戦争論・政治論。<パルチザン>による戦闘は近代世界の敵概念に大きな変容をもたらしたと主張しています。これは、立場的に正反対にあるベンヤミンとかなり類似した問題意識によるものであり、シュミット擁護者および批判者ともに必読の書です。特に、NYテロ事件の問題を深く考えるのにも有効だと思います。
このレビューは参考になりましたか?
23 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 「政治的なものの概念」は1927年に発表されたが、32年に改訂版が出ている。この書は、その63年時点での「中間所見」なのである。
 シュミットは19世紀までの政治理論の枠組みが崩れた現代政治を「友-敵」理論で定式化したが、その後現代政治はますます流動化を進めた。そこで改めて定式化することが本書の主題である。

 近代ヨーロッパの国家間戦争は「正しい敵」との戦いであった。国家政治の延長としての戦争であった。それ故、戦争は特別のゲームとして相互認知され、その戦闘員も犯罪なぞから聖別されていた。

 ところが、ナポレオンに抵抗したスペインのパルチザンたちは自分たちの土地を守るため、新たな戦いを生み出した。それは国家政治の延長としての戦争ではなく、犯罪にも紛いかねない戦争だった。ここまでが「政治的なものの概念」の範疇だ。

 レーニン以降、絶対的な無差別的な戦争が始まる。「絶対的な敵」との戦いである。これはゲームではない。徹底的な殺し合いである。
 ここでシュミット理論は終わる。もはや「正義」は客観的なものではありえないのである。

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