著者は、かつて阪急百貨店でデザイナーとして活躍した後、1960年代に毎日新聞社パリ支局モード記者を務めた女性。その経歴を反映して、著者の文体は洒落たファッション・ジャーナルのコラムニスト風です。18世紀から20世紀の服飾史ということですが、労働問題やフェミニズムといった問題には触れず、もっぱらトップ・モードをつくって華々しく活躍した個人に光を当てています。
初版が1975年と古いですが、文章は読みやすいし、図版も豊富、掲載されている情報も正確なので、近代のファッション・デザイナー列伝としてはよいと思います。ビブリオグラフィもついています。
ローズ・ベルタンからウォルト、ココ・シャネル、ニナ・リッチに至る、フランスの誇るファッション・デザイナーの逸話集としてとらえるべきでしょう。