オペラ座ロミジュリで連想されるパートナーはまぎれもなくモニクとリュグリの組み合わせでしょう。
現在この二人のパドゥドゥを実際に見る事は出来なくなってしまいましたが、このDVD/ビデオでその雰囲気を味わえるのが救いですね。
まづ冒頭から、リュグリのソロそして、友人役カリンアヴェルティとのからみの後、素晴らしいコールドバレエによる両家のいがみあいのシーン。
モニクのソロからロミオとジュリエットの出会いへと、音楽の隙間をもすべてパで埋め尽くすヌレーエフの振り付けは怒涛のごとく進んで行きます。
そして、舞台はそのスピード感と重厚な振り付けを維持したままで有名なバルコニーのシーンへと到達します。
モニクの叙情性豊かな表現力は定評あるところですが、あたかもそれに触発されたかのようなリュグリの情感たっぷりの演技は一見の価値有りです。
そして若い2人が結果を急ぎすぎたために訪れる悲劇的な結末の美しさはこの作品のみどころといえるでしょう。
ただ、リュグリ自身が引退までに2度と踊れないと言っているようにダンサーの精神と肉体の極限状況を要求するヌレーエフの振り付けは見ている我々にもそれなりの覚悟を要求してきます。
これはオペラ座バレエ団が、美しいアンドゥオールと正しいポジションこそが美の基本であり、それができた上での役柄の表現をダンサーに対し強く求めていることの証しをこの作品で提示しているということかもしれません。