オペラ座バレエ団の日常を、淡々と映し続けるドキュメンタリー映画。
稽古の緊迫感、練習スタジオの雰囲気、舞台裏のなにげない表情……。
公演を見るのとは全く違う、バレエの世界で生活する人々の素の表情が多面的に描かれています。
(逆に、芸術作品としてのダンスが観たい人はこの映画ではなく、実際の公演に行くか収録DVDを観ましょう)
何気ないレッスンの中でシーンの意味についての会話があったり、ポージングや表情がフラットな照明環境で見られるので、
バレエをあまり知らない人の鑑賞入門用としても良さそうです。
エトワールやダンサーだけでなく、裏方も各々自分の仕事をしながら登場しますが、みな活き活きとしてかわいらしい。
監督やプロデューサー(?)達の会話なども大いに楽しめました。
この作品は、いわゆる劇映画やドラマチックな起伏が用意されたTVドキュメンタリーのようなものではありませんが、
だからこそ誰にでも楽しめる、見る人によって印象に残るシーンが全然違うような記録映画になっていると思います。
長い映画ですが、各シーンは断片ですから好きなところで止めておいて、続きは時間の空いたときに観ても全く問題ないです。
ひとつ残念なのは、画面にグレイン(ノイズ)が多く解像感も低いこと。
照明が焚けない収録だし、原版の問題だとは思いますが、DVD化の段階で多少でも何とか出来なかったのかと。
色調や構図は大変美しいので、観ているうちに見慣れて集中できました。