小説フランス革命・文庫本第2巻が扱うのは1789年6月20日から7月12日まで、つまり特権階級側の巻き返し(特に平民大臣ネッケル罷免)とパリ民衆の憤慨、そのたまったガスにデムーランの「武器をとれ」の演説が火をつけてパリ民衆が蜂起し、市内で軍と衝突するまでを描く。
ここでもミラボーが、ブルジョアから貧民まで幅広く平民の力を結集できる情熱と弁舌を持ち、議論のための議論しかせず勝ち負けがつくこと自体を嫌がる知識人とは一味違う闘士として、三部会選挙に立候補して落選したデムーランを目ざとく見つけ、彼を負け犬のままでいいのかと挑発し、悶々とした感情に火をつけて立ち上がらせる。
この第2巻までは、議員当選・落選の違いはあれ、どちらも弁護士であり、フランスを何とかし、自分も一角の人物として働きたいという気持ちで一杯のロベスピエールとデムーランという若者2人に、民衆の力はこう導いてやるのだと教え、ひ弱さを克服させるミラボーの手腕が強調されている。
換言すると、野心だけあって具体的に何をしたらいいのかわからなかった若者が、政治の現実を知り、大胆な行動をとるに至るまでの成長物語の側面が大きい。
普遍的な人間心理の洞察が、本書を面白くする一因だ。