先進国の中で出生率を回復している国として注目を浴びるフランス。子供のいる家庭への減税処置、大胆な出産手当、育児手当、公立学校の無料化、そのような金銭面でのフォローの話は良く聞く。この本では、さらにフランス人と結婚してフランスで子育てしながら通訳の仕事をする著者が見たパリのおしゃれなママ達の子育て事情が語られている。ちょっとフェミ臭いかと思ったが、功罪のバランスは考慮してある。
フランスでは、金銭面での援助や法律の改正により、女性が子供を産むこと、堕胎することの自由を勝ち取った。それにより、女性の社会進出が進み、出産を終えてもまた職場復帰して第一線で働くために必要な10年以上の勤務経験を有してから子供を産めるようになった。子連れ離婚・再婚、事実婚も全く差別がない。保護者がデートのために大学生ベビーシッターを雇うことに抵抗がない。それどころか、産後には体力(及び性的魅力)回復のためのリハビリが一般的で、それにも補助金が出るようだ。そのリハビリが会陰の筋力回復とは、驚きの一言だ。
ただ、フェミニズムが行きすぎた面もあるようで、小児科医が専業主婦への偏見を口にしたり、幼稚園へ持たせる昼食がレトルト食品なのが普通だったりと、筆者ともども疑問は感じる。ミルクを乳母さんが与えて育てるのが一般的なので、筆者が母乳を与えたら夫は「第三世界のようだ」と言い放ったらしい。乳母さんは旧植民地からの移民や不法入国者が多いようで、ここまでして子供を増やすことが良いことなのか非常に疑問に感じた。私の感覚が保守的すぎるのだろうか。
フランス風が良いと言うことではなく、興味深い事例として☆4つ。