私は自分では後期中年と呼んでいますが、世間的には高齢者の仲間に入ってきています。この年代になると子供は独立し、夫婦ふたりの生活になります。そうなると段々妻より先に死んだ方が幸せだなぁと思いが強くなります。多分、高齢になっての孤独が恐いからそう考えるのかもしれません。しかし、「パリのおばあさんの物語」を読んでいると、人は生きているのではなく、生かされているのだなぁとつくづく感じます。あのおばあさんの(生かされているという)感謝の気持、そして、他人にも自分にも優しく生活している様子が温かみのある日本語を通して伝わってきます。岸恵子さんの書かれたあとがきの一節「・・・愚痴っぽく自分勝手の頑固者になるのか、感謝の気持で他人にも自分にも優しくなれるのか、そこが人間としての勝負どころです」は、当にその通りと思います。「パリのおばあさんの物語」は、これから高齢者の仲間入りする団塊の世代の方々に読んで欲しい大人の童話と思います。