ジュリー・デルビーと言えば、ゴダール、カラックス、キュシロフスキら名監督に登用された女優として知られているが、一方で、NY大学映画学科で学び、何よりその会話の面白さが印象的だった「ビフォアサンライズ」の脚本で、アカデミー賞にノミネートされた才人でもあって、私はその容姿も含めて、フランスのジョディ・フォスターと密かに思ったりしているのだが、それだけに、彼女が、パリを舞台にした恋愛映画、しかもコメディを撮ると知った時は胸が高鳴った。
そして映画は、フランス人を恋人に持つアメリカ人男性の、バカンス帰りのパリでの2日間の、カルチャー・ショックなナイトメアならぬ白日夢の数々を、下ネタとブラックな笑いを交えながらシニカルに描いた期待通りの仕上がりになっていた。
しかも、各方面で指摘された様に、デルビー自身のモト彼や実の両親を、そのまま劇中のキャラクターとして出演、登場させ、恋愛の妄執や混沌さを自虐的に謳い語らせる辺り、そのセリフの面白さも含め、ウディ・アレンの女性版との評価も十分頷ける。そして、その滑稽さに笑わされながらも、最後の最後に語られる倦怠期の恋愛感情の切なさ、痛さにがつんと打ちのめされるのだ。