最も参考になったカスタマーレビュー
22 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
長さを感じさせない刺激的な作品, 2005/11/20
映像は主人公のトラヴィスが 荒涼とした砂漠を無心に一直線に歩く姿よりはじまる。 彼はあまりにも繊細でなおかつあまりにもある人を愛したがために その愛を制御できず、結婚生活を崩壊させてしまった人。 その過去さえも受け止められなかった彼が 幼い息子と再会して、別れた女性を探す旅にでる。 自分探しの旅にでる。 長時間にわたる映画なるも トラヴィスの内面が極めて生き生きとした形で伝わってきて 退屈せず、刺激的でありつづける。 風俗店のマジックミラー越しに妻と再会する時は そこに一言二言の言葉の交わりしかないものの 極めて濃密な時間。 時間とはやはり内容ではなく われわれの思いが濃い、感動的な時間を形成するのだと つくづく感じさせる。 storyは単純、そんなに入り組むことも無いが しかし内容は極めて濃密で豊穣な作品。
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5つ星のうち 5.0
心の迷宮, 2007/5/5
レビュー対象商品: パリ、テキサス デジタルニューマスター版 [DVD] (DVD)
大好きな『ベルリン・天使の詩』のヴェンダースの作品。 人と人が愛し合って家族になって、でもそれで一体どこに辿り着くんだろう? そんな事をふと考える。 誰かの近くにいることを許されるなんて幸福だ。 でもふと、何かの際に思うことがある。私も、私の大好きな人も本当は独りずつ生きているんだと。どんなに心を許しあった気がしていても他人なんだと。完全に理解する事などできない。自分を理解するのだって難しいのに。 言い争ったり喧嘩をしたりしなくても、たとえば深い青い空を見たとき、たとえば歯ブラシが寂しく立てかけてある時。遠くから自分を見つめ何もかも抱え込んだまま何処かへ彷徨ってしまいそうになる。 決して人には(自分にさえ)触れられない場所が心の奥底にはある。外の空気にさらされる事なくたくさんの蔦が絡まり花が咲いている…あるいは砂漠のように果てしなく乾いた場所。他人どころか、自分にさえ迷宮のその地。 そんな場所に迷い込んでしまったら私は戻ってこれるだろうか。 …誰かが私を見付けてくれるだろうか。
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5つ星のうち 5.0
真摯で、痛切で、深遠な“愛”の神話。スタッフ&キャストとも完璧な映画史に残る傑作。, 2006/8/20
レビュー対象商品: パリ、テキサス デジタルニューマスター版 [DVD] (DVD)
言うまでもなく、ロード・ムービーの先駆者ヴィム・ヴェンダースの最高傑作にして、映画史に永遠に語り継がれるべき傑作。既存のBOX集からの待望の単品セールスだ。 4年もの間、何かに取り憑かれたごとく荒野を彷徨し続けた中年男トラヴィス。行き倒れ状態で病院に担ぎ込まれた男は、何事にも答えず、唯一持参していたのは、1枚の古びたポラロイド写真、即ち、自己のアイデンティティと愛の原点であるパリ、テキサスの風景写真だけだった、、、。 果てしなく続く西部の荒涼で乾いた原風景が、“かけがえのないもの”を失い、魂が空洞化してしまった主人公の心象を表している。 以下、トラヴィスが弟夫婦に引き取られている我が子と再会、確執と和解の後、別れた妻を捜しに行く、ただそれだけの物語であるにも拘らず、146分間一分の隙もなく、ストイックかつエモーショナルな雰囲気に心底酔わされる。 観る者全てが一度観たら決して忘れられない、それまで寡黙であったトラヴィスが一転赤裸々に心情を吐露するマジック・ミラー越しの妻とのモノローグは、サスペンスと苛酷さを持ち併せつつ、かって、これほど“痛切”で“深遠”な“愛”の告白があったであろうか、と思わせる名シーンだ。 70年代、コッポラ、ペキンパー、ミリアスら名監督に重宝がられたハリー・ディーン・スタントンの初主演にして圧倒的な名演と、最も美しかった頃のナスターシャ・キンスキーの2人の、セリフを極力拝した中での表情だけの感情表現が素晴らしい。 特典のトラヴィスのかけがえのない至福の瞬間を切り取った8mmホーム・ムーヴィーは必見もの。 脚本は俳優でもある作家のサム・シェパード(「ライト・スタッフ」!)、音楽はライ・クーダー(「ストリート・オブ・ファイヤー」!)とスタッフも超クール。
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