「宇宙の始まりや終わりはどうなっているのか? 宇宙はなぜあるのか? 神はいるのか?」
人類を惹きつけてやまない疑問に、最新の物理学や天文学がどう答えようとしているのかを、理論物理学者自身が紐解いてくれるまたとない好著です。
私は数学は苦手だし、相対線理論、量子論、ひも理論…本書に書いてある理論を本当に勉強しようと思ったら人生をもう一回やり直しても足りないと思いますが、たぶん多くのノンフィクション好きの方々と同様に、宇宙の疑問への挑戦に興味津々です。
著書は、最新の理論について、わかりやすい喩え・SF小説・映画なども例にとって、そんな私たちに伝えるべく一生懸命解説してくれます。
ワームホールによるタイムトラベルや多元宇宙マルチバースなど、SFそのものの奇天烈な理論そのものも面白いですが、アインシュタインを始め数々の学者達がアイディアをぶつけ、修正しながら真理を求めていく過程も興味深く、「知の巨人」が身近に感じられます。
地球人類はまだ差別や戦争に明け暮れる、「バージョン0.7」の文明と位置づけられるそうですが、著者は我々の時代に、人類が地球のエネルギーを効率よく活用できるI世代の文明にたどり着ける可能性があると語っています。
ある宇宙で、知的生命が進化できるチャンスは非常に小さいそうです(そもそも、ビッグバンの時のちょっとした揺らぎで、原子自体ができない)。せっかく与えられたチャンス、行けるところまで行こうぜ、人類! という気持ちになりました。
それにしても、何兆年か後にこの宇宙自体が冷え切って終焉を迎えるので「他の宇宙に逃げる方法」を検討するなんて…ハチャメチャ面白すぎます!