CMで散々めちゃくちゃ怖い!と煽ったせいで期待値が上がりすぎて、案の定レビューは酷評の嵐。さすがに苦笑してしまった。
ブレアウィッチプロジェクトもそうだが、この手の映画は制限された情報の中でひっそりと徐々に広まっていった方がずっといい。あれだけ煽られたらそりゃ誰だってとんでもないものを見せられるんじゃないかと期待するだろう。しかし、予想に反してこの映画はものすごく地味な映画なのである。(私はブレア〜も大好きである)
個人的な感想でいえば、この映画はそれほど悪くない。いや、それどころか夜のシーンになると途端に異様な緊張感がみなぎり、普通のホラー映画であれば開始10分で登場するような些細な事象がゆっくりと積み重ねられていく様子は、他のホラー映画にはあまり見られないような恐怖感がある。いったいどこに、どのように恐怖が宿っているのか? 集中すればするほどに、「それ」が起こった時の恐怖が大きくなる。要するに想像力を駆使して、観ている最中に自分から映画に参加するぐらいの気持ちで臨まないといけない映画なのだ。こういうのは。今の「お客様」気分で観るのが当たり前になっている多くの観客にとってはさぞ苦痛だと思う(挑発的な言い方になってしまい申し訳ないが、実際そうだと思う)。
少なくとも他のレビューで言われているような酷い出来の作品では決してないし、秀逸な部分の多い作品である。日本ではおなじみ「ほんとにあった!呪いのビデオ」シリーズを楽しめる人であれば、あれを観ているときと同じような気持ちで楽しめるのではないか、というのはさすがに余計なお世話か。
ただし、ラストの落とし所に関しては、あまり良いとは思えなかった。スピルバーグが気に入らず撮り直させたとのことだが、どれだけ地味に終わったとしても、もっとぼんやりとわけのわからないまま終わった方が、この作品としては正解だったように思える。