ガスヴァンサントはポートランドの魅力に取り付かれた人間だと思う。私は幸運にもこの街に5年半も住む事ができた。正直住んでいなかったらこの映画の魅力は解らなかったかもしれない。バーンサイドスケートボード(映画ではパラノイドパーク)周辺の空気感とポートランドに住む若者の心情そして時間の流れをうまく表現することができていると思う。この映画はフィクションだとおもわれるがスケートボートパーク周辺での殺人事件や子供が貨物列車に忍び込む事などは実際に起きている。パシフィックノースウエストは冷たい梅雨のようなシーズンが10月から5月ぐらいまで続く。それが影響しているかは解らないが若者はカリフォルニアのように垢抜けてはじける感じではなく、内に心を秘めるタイプが多い。グランジなどが生まれたのもそういった背景があるかもしれない。実際に街の至る所にスケートボートショップがあり、多くのスケーターがダウンタウンで滑っている。そしてこの映画にでてくる主人公のようにポートランドの白人の若者はバーンサイドスケートボードパークで滑る事に強いあこがれを抱く。学校や友人からでは得る事ができない何かがそこには有り、そしてその特別な世界観に陶酔していくのだ。ガスヴァンサントはこういった無垢な若者が純粋に外の世界に陶酔して行く姿に美しさを感じフィルムにする事を決めたのだとおもう。