第37回メフィスト賞受賞作で,デビュー作になります.
個性の強い双子の美少年など,キャラクタを前面に押し出した作風は,
よくも悪くもメフィスト賞作品で,好みがわかれるところだと思います.
特に,何度か出てくる『ネットスラング』のようなクセのある表現は,
モニタ上では見慣れていても,こうして書籍をとおして読ませられると,
軽いというか寒々しく感じてしまい,なんとも言えない違和感が残ります.
また,心境などについて,有名漫画家や俳優を引き合いに出すのですが,
彼らをよく知らないせいもあって,今ひとつその『意味』がわかりません.
その上,これが結構な回数だったため,ちょっとくどく感じてしまいました.
ほかにも,あることについて,うんちくやらを語る場面が多いのが退屈です.
このあたりは著者の趣味(本書 著者紹介より)が,強く出過ぎているようで,
その『意図』が明かされ,少しだけ納得できたものの,やはり強引な印象です.
孤島,館,密室にトリック,さらに有名な『お約束』までをも引っぱりだし,
それらを逆手に取って畳まれていく終盤は,そこそこに読ませてはくれますが,
使い古されたところがあるのも事実で,完全には楽しみきれないのが残念です….