『NANA』をはじめとしたヒット作を多くもつ矢沢あいのコミックの映画化。
原作は読んだことがないので、原作の雰囲気やキャラクターをうまく実写化できているのかは、わかりません。映画だけを観た時の感想です。
観終わって感じたのは、もっといい映画になった可能性があるのに、惜しいという印象。いかにも漫画チックなストーリー展開に登場人物ですが、その分ドラマチックな訳で、映画については、いかにリアリティを持たせられるかが重要だったと思います。
そういった意味では、俳優陣の見せ方が下手だと思います。主人公を演じる北川景子は、彼女の人生を変えることになるジョージ(向井理)たちに出会う前から、普通に可愛らしく、彼らに出会ったことによる劇的な変化が感じられない。(あまり気持ちがこもっていない台詞だけは変化しますが。)映画最大の見せ場ともいうべき、ファッションショーのウォーキングのシーンも特別きれいに撮られている訳ではなく、ソニーのデジ一のCMのほうがいいと思ったくらい。もっときれいに撮れたはずです。
また、彼女の人生を変えるカリスマ的な魅力を持つ設定の向井理の見せ方もいまいち。向井理は端正な顔立ちだと思いますが、どちらかというと、顔だけではなく、ファッション・髪型・佇まいなどの総合的なところでポイントを稼ぐタイプの俳優だと思います。ところが、劇中では、石田純一か錦野明のようなスーツ姿にいつもハット。原作でそういったキャラクターなら、変えようがなかったのだとは思いますが。初登場シーンは、カリスマ性を表現するため、相当の化粧顔(もしかしたらCGも使っている?)を映し出すのですが、のっぺりしていてむしろ気持ち悪い。
コミック原作で、ストーリー・キャラクター設定がある程度ぶっ飛んでいるのは仕方ないもの。そこにリアリティを持たせるのが製作者たちの腕の見せ所だと思います。せっかくの美男美女キャストによる恋愛ドラマも、見せ方が悪いと、なぜお互いに惹かれていくのかわかりにくい。もっと、演出面での工夫が欲しかった作品です。(YUIの主題歌と挿入歌に関しては、映画の雰囲気に合ってて良かったですね。)