親との同居で、衣・食・住に何ら不自由しないのをいいことに、自ら稼いだ金は、レジャーやブランド商品など、娯楽、趣味に費やす生活を送る。そんな男女が、今や約1000万人に達しており、社会に病巣を形成しつつあると分析するのは、著者である学芸大学教育学部の山田昌弘助教授だ。
「パラサイト・シングル」の増殖は、日本に景気下降や社会モラルの低下をもたらした一因だとも指摘。その根拠を解説する。
例えば、経済に及ぼす影響として、住宅や電化製品などの需要低下がある。「パラサイト・シングル」はそれらを親と共有しているため、世帯数そのものが伸びていかないのだ。彼らが唯一貢献するブランド商品などの付加的需要の伸びも、焼け石に水だと言う。
「生活水準が落ちるのが嫌だ」という甘えが、彼らが親に寄生し続ける理由の根底にある。彼らに自立を促すことは、もはや一家庭の問題ではないという事実を痛感させられる。
(日経ビジネス1999/11/22号 Copyright日経BP社.All rights reserved.)
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