作者の予告どおり、今回は遼太郎の妹・和音が一応メインヒロイン。しかし、今回は敵が敵だから前巻の美弥子のようにとっ捕まっただけではすみません。おまけにメインと言っても被害者になってるだけで、多過ぎるキャラクターの中で重点的に和音を十分に描写してる感じではありません。
ツンデレ美弥子の嫉妬はともかくとして、和音の遼太郎への想いは今回の重要な要素なので、それこそ五代ゆうの文章力で表現してほしかったところなのですが、たぶんに説明的なセリフとト書きで終わってるだけの感じがしてなりません。ライトノベルなんてキーワードで表現を代用するものだといえば、それはそうなのかもしれませんが、少なくとも五代ゆうのファンがそういう省略を望んだりはしないでしょう。
一番メジャーなものはあえて除外して、それ以外の敵の「眷属」たちのガジェットなりオマージュを散りばめてる辺り、読書家にはニヤリとさせてくれるところですが、わからない人は気にも留めないところなので、くどくはありません。例外はクリスティーナの知人として被害を受けた和音を匿ってくれる人物なのですが……
全体的にライトノベルとしては表現描写が均一化されていて読みやすくはなっていますが、裏を返せば描写が薄くなってることは否めません。ページ数を増やせないならキャラクターを絞って、その分をキャラクターの心理描写に割り当ててほしいように思います。 物語は今後の作品展開にも繋がってくる感じで、その辺りは興味深かったのですが、書込みが足らないというのは敵側の描写にも言えることで、せっかくの設定がそそくさとページに追われるように掃き出されてしまったって感じで、非常にもったいないような気がします。