通常の写真集とは違い、年表や戦跡地図もあります。
何も知らない人が手にしても、沈没している艦や航空機の姿を通じ、その背後
にある著者の思い、歴史的背景を謙虚に誠実に受け止め、思いを巡らせること
のできる構成となっています。
一般的にこの種の作品は、「お涙頂戴」か「特ダネ合戦」や「スペック合戦」
になりがちですが、本著は違います。写真の質もそうですが、構成の巧みさや
キャプションの文面など、大きなテーマを扱いながらも、細かいところで手を
抜いていないのがよく伝わってくる作品です。
本作品は、戦跡マニア向けに限定される作品ではないと感じます。
「歴史」「ダイビング」「カメラマン」「写真集」に分類される内容といっ
たほうがよく、ミリタリーに分類するのは必ずしも妥当ではないと思います。