7篇の短編小説集です。
大阪の学生(のちに教員)が、高知にゆかりのある6人の人たちから昔話を聴き取り、最後は自分自身が語り手となるという構成です。
ファンには手軽に坂東ワールドを楽しめる、ありがたい「企画」です。
坂東作品の約半分を読了した私の感想の一つは、「坂東作品とエロスとは、切っても切り離せない」ということですが、それは短編でも同じことで、特に「残り香」はエロスそのものです。さすがに締めの「お接待」は例外だろうと予想していましたが、見事に裏切られました。
真ん中の「虫の声」がやや駄作というか、「坂東流」の味つけが薄いように思いますが、他の6作品はそれぞれに☆5つを付けたくなる、味わい深い佳作ばかりです。