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パライゾの寺 (文春文庫)
 
 

パライゾの寺 (文春文庫) [文庫]

坂東 眞砂子
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

明治2年、長崎・浦上村の隠れ切支丹たちが土佐の漁村・天浜へ流罪となった。志操堅固な信徒たちに手を焼く村の顔役たちは、遊郭の女郎たちをけしかけて戒律を破らせ、棄教に追い込もうとする。表題作など、宮本常一とおぼしき民俗学者が採集した回顧譚の体裁で語られる、濃密なエロスとグロテスクな哄笑に満ちた7つの物語。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

坂東 眞砂子
昭和33(1958)年、高知県生まれ。奈良女子大学居住学科卒業後、イタリアに2年間留学、インテリアデザインを学ぶ。帰国後フリーライターとして働きつつ童話を発表、57年、第7回毎日童話新人賞優秀賞を受賞。平成6年「蛇鏡」「桃色浄土」が連続して直木賞候補に。8年「桜雨」で第3回島清恋愛文学賞受賞。9年、「山妣」で第116回直木賞受賞。14年「曼荼羅道」で第15回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 284ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2010/4/9)
  • ISBN-10: 4167584034
  • ISBN-13: 978-4167584030
  • 発売日: 2010/4/9
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 34,945位 (本のベストセラーを見る)
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 7篇の短編小説集です。
 大阪の学生(のちに教員)が、高知にゆかりのある6人の人たちから昔話を聴き取り、最後は自分自身が語り手となるという構成です。

 ファンには手軽に坂東ワールドを楽しめる、ありがたい「企画」です。
 坂東作品の約半分を読了した私の感想の一つは、「坂東作品とエロスとは、切っても切り離せない」ということですが、それは短編でも同じことで、特に「残り香」はエロスそのものです。さすがに締めの「お接待」は例外だろうと予想していましたが、見事に裏切られました。

 真ん中の「虫の声」がやや駄作というか、「坂東流」の味つけが薄いように思いますが、他の6作品はそれぞれに☆5つを付けたくなる、味わい深い佳作ばかりです。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By いせむし トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
これは大傑作だと思います。

小説の構造がものすごーくよくできています。
民俗学者の聞き書きという設定で、
土佐の田舎の人々が語りだす。

人間の業がむちゃくちゃにつまったはなしが続く。
ホラー雰囲気を纏いながらも、
語りは終了し、あくまで人間の営みの枠内に話は収まり続けるのだ。
読んでいるうちに、
「あ、これはホラーじゃないんだ」と読者に思わせるのだが、
これは作者の騙しのテクニック。

時間軸が微妙にずれたストーリーが挟まったりして、
うん?と首を傾げる部分もあるのだが、
私は見事に騙されました。

そして最後。
オチが見事。そして更にオチが。。。
オチが分かってみると、
短篇連作の意味もものすごく腑に落ちるという、
近年稀にみる仕掛けの見事な小説でした。

お勧め。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 明治〜昭和の「土佐」の庶民たちを中心に,濃厚な土俗的世界を描いた短編集。坂東眞砂子は,やっぱりこういうオドロオドロしい世界が似合っている。
 書名にもなっている『パライゾの寺』がよかった。禁制の切支丹として土佐に流されてきた豊市と,士族の未亡人ながら生活苦から遊女になった「さく」。豊一は,さくの中にマリア様を見て,さくを抱いてしまうのだが・・・。人が何に「聖」を見出すのかという一場面をきれいに切り出してみせてくれる作品だった。
 東京の貧民窟で生まれ育ったフキ子を主人公にする『六部さま』も,たくましく生きる女と,根拠のない未来にしがみつきながら酒に溺れるしかない男とを対比するように描き,よかった。
 坂東眞砂子のオドロオドロしい世界が好きな人にはお勧めの作品である。
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