本書は、世界の人事・人材開発担当者のためのテキストとなっている
”Performance Consulting”(1995年)の初版です。
著者は「人材開発部門は、事業目標の達成や業績改善を支援するために『パフォーマンス・コンサルティング』
を実践しよう」と主張しています。本書では、パフォーマンス・コンサルティング実践の各論とすぐに使える多
数のツールやモデルを解説しています。
パフォーマンス・コンサルティングのアプローチでは、たとえば、「研修を行いたい」という声に対し、「は
い、営業スキル研修ですね。人数は何人ですか?このプログラムではいかがですか?」と即座に対応してはいけ
ないとされています。
まずはその背景にある「事業のあるべき姿」と「営業担当者が目標達成する上でカギとなる行動(パフォーマ
ンスのあるべき姿)」を明らかにして、本当のニーズを把握することからスタートします。次に、「事業の現状」
と「営業担当者の現状の行動」を明らかにして、あるべき姿に対する現状のギャップを見つけます。さらに、こ
のギャップの原因(上司のコーチング不足、不適切なインセンティブ、従業員の知識・スキル不足など)を特定
します。そして、それぞれの原因にあった解決策をつくり、対応するのです。研修はひとつの解決策にすぎず、
従業員の知識・スキル不足に対応するためのものです。その他の原因に関しては、他の解決策が必要になります。
本書はこうしたプロセスを通じて、人材開発部門が事業目標の達成や業績改善を支援する方法を提供しています。
なお、本書のモデルが進化し、文章が大幅に刷新された第二版は、2010年8月に『パフォーマンス・コンサルティングII』
として出版しております。基本的な概念は第二版と共通しており、第二版のほうがわかりやすくなっていますが、
「パフォーマンス・コンサルタントの役割の一部(第1部)」「人材開発部門からパフォーマンス改善部門へ移行するためのヒント(第4部)」
は本書の方が詳しく解説されています。
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最も参考になったカスタマーレビュー
13 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
研修をパフォーマンスを高める手段として捉えると、人材開発の役割とプロセスが変わる,
By 実践家 "太郎" (東京都港区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: パフォーマンス・コンサルティング~人材開発部門は研修提供から成果創造にシフトする~ (単行本(ソフトカバー))
「研修やトレーニングは手段であって、成果に結びつかなければ意味がない」という台詞は、いつも言われていました。しかし、これを現実のものとするには、人材開発を担当する者が、自分の役割認識を変革し、研修やトレーニングを設計したり、実施や効果測定したりするプロセス、加えて事業部門とのコミュニケーションプロセスをもイノベーションしていくことが求められます。 その体系的な方法論や考え方が整理された名著で、今日まで日本語訳が登場しなかったのが不思議なくらいです。 企業や組織の人材開発担当者なら、ベースとして必ず理解しておきたい内容であり、この本の内容を理解せずに、人材開発について語ったり、推進するのはとても恐ろしいとさえ感じます。 この本が、自社の人材開発部門で見かけることがなかったら、自社の能力開発の取り組みに疑問を感じてもよいかもしれないくらいです。 すぐに読む時間がなくても、ぜひ買い求め、目次や構成だけでも理解してほしいと思います。
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ノウハウ満載−−研修担当者、コンサルタント必読の書,
By ゾウさん (神奈川県横浜市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: パフォーマンス・コンサルティング~人材開発部門は研修提供から成果創造にシフトする~ (単行本(ソフトカバー))
「理論理屈は分かった」「総論はそのとおり」の本はたくさんあります。しかしこの本は、「具体的にどうすればよいのか」を非常にわかりやすく教えています。 紹介されている事例は、研修を成果に結びつける実践的なステップと内容になっています。 そこに載っている質問例やチェックリストなどはすぐに使えるものばかりです。 また研修プログラム設計を進めるプロセスは、経験だけではなく、しっかりした理論に裏打ちされたものになっています。 これほど具体的なコンサルティングノウハウが豊富に載っている本は稀有と言えます。 研修の本質を知りたい研修担当者、高い価値創造を顧客に提供したいコンサルタントはぜひ読んでほしい本です。
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人事じゃなくても役に立つ,
By 曹操 (東京) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: パフォーマンス・コンサルティング~人材開発部門は研修提供から成果創造にシフトする~ (単行本(ソフトカバー))
戦略と人事をつなげる方法について詳細に記述があり、読み応えがあります(やや読むのに覚悟はいるかもしれませんが)。人事担当者や人事系のコンサルタント向けの本なのでしょうが、(特に日本では)現場の管理職こそこのような視点をもって業務にあたるべきなのでは、と思います。部下を持つ人、上司も部下もいる人、にとって有用なフレームが多いように思います。 マーカス バッキンガムのいうマネジャー(「最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと」)の役割と重ねて考えると興味深いのではないでしょうか。 また野中 郁次郎氏他の「知識創造企業」と併せて読むとさらに奥行きが広がるようにも思えます。
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