第1部では古代から近代美術が登場する直前までを取り上げているが、本書のおもしろさは、第2部の近代美術、そして第3部のアメリカのパトロンの動きをまとめた部分にある。万事金の時代に画商が大きな力を持ち、美術館というシステムが登場、そして、新興国のアメリカで繰り広げられたパトロンと芸術家の関係など、美術通史では触れられることの少ない部分が、生き生きと描かれている。また、現在ではおなじみの、作品を際立たせる真っ白な壁で囲まれたギャラリーを最初に作ったのはアメリカの女性画廊主であったというエピソードなど、パトロンの、金銭面だけではない貢献も垣間見ることができる。
著者はあとがきで、「マネーが絡んでアートの価値が汚されるかというと、そんなことはなく、むしろいきいきした人間的な魅力を語ってくれる」と述べている。アートがある限り、それを助けるパトロンの存在がなくなることはない。(朝倉真弓)
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ヨーロッパの貴族にはじまり、つい最近のアメリカの実業家・資産家がコレクトした芸術作品とサポートした作家の関わりについて実にわかりやすく記述されています。
ざっと簡潔に書いてあるため、深く調べてみたいな、というには物足りなさを感じるかもしれませんが、参考になる書籍も詳しく紹介されていますので、この分野に興味がある人にはよい指南書になるかもしれません。
芸術というものは華やかで心を揺さぶりますが、時には違った観点から見つめてみるのも案外悪くないものです。