全体的に丁寧な恋愛漫画だったが、ほとんど手すら繋ぐ事のない非常に淡白な展開や、ラストに向けて盛り上げるべき劇的なドラマも無いままの終わり方には少々不満が残るのも事実。
全編を通して、これと言って大きな挫折イベントやトラブル要素が存在しないため、オトメちゃんと大門の心理的変化や精神的成長もそれほど描かれる機会が無いまま、単に「自分の過去の気持ちに整理をつける」という程度の段階で終わっている。
特にオトメちゃんは主人公の割りにちょっと内向的な性格すぎたのでは。仕事には積極性があるのに恋愛に関しては常に受け身で、奥手というよりも「流れに身を任せているだけ」という印象が強かった。この最終巻でさえ、主人公としての「積極的な行動や決断」といったものが見られず、彼女の行動や決断の結果が、登場人物の心情や物語の進展に大きな影響を与えたというドラマがほとんど見られなかった。まあそれがオトメちゃんのキャラだと言ってしまえばそれまでだけど…。
また他のMONのスタッフ(ふたごや梅ちゃん)なども、外見(キャラデザ)からして始めから完全に「恋愛対象外の賑やかし」としてしか描かれておらず、ほとんどドラマに関与して来ないのも少女マンガ特有の「外見優位主義」的に感じられる。仕事場以外での普段のプライベートがほとんど描かれていないのも何処かよそよそしい。
ラストもツッチーがMONに戻ってくる必然性を感じなかった。本当にオトメちゃんと大門の事を考えるならこんなタイミングで戻るべきじゃないし、「もうオトメちゃんを好きになる事はない」というのも、今は良くても将来的には何の保障も無いセリフ(人の心は常に変わるもの)。仕事にしても恋愛にしても、お互い馴れ合わないために、「自分の道を進む」というクールな終わり方に徹して欲しかった。